恋した彼はトリプルフェイス④【名探偵コナン】 (ページ4)

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『零まだみたいだな』

待ち合わせの公園でベンチに腰かけようとした時、元気な声が私を呼んだ。

「あー！！Aお姉さんだー！！」

『あら、あゆみちゃん！光彦君に元太君も』

ちょうど通りかかったのか、三人が笑顔でこちらへ駆け寄ってきた。

「A姉ちゃんここで何してんだー？」

『ちょっと人と待ち合わせしてて』

「えー！もしかしてデート！？」

『あ、うん、まぁ』

きらきらと目を輝かせるあゆみちゃんに、照れながら答えていると、

「いけませんね～女性を待たせるなんて」

そんな大人びた発言をしながら辺りを見渡す光彦君に、私はくすりと笑いながらフォローをいれた。

『私が早く来すぎちゃったの。
それに彼、忙しい人だから』

「Aさんの彼氏って、ポアロのお兄さんですよね？そんなに忙しいとは思えませんが」

『ええ！？何で知ってるの！？』

「園子さんに聞きました」

「たしか…“びなんびじょ”ってゆーんだよな？」

「そうそう！」

園子ちゃんー！？子供達にまで何吹き込んでくれてるんだ！！

子供達の前で私がたじたじになっていると、
聞き覚えのあるエンジン音が近づいてきた。

「あー！ポアロのお兄さん来たよ！！」

こちらに気付き、車を停めると零がにこりと笑顔を向けた。

…あ…れ？

私は何か違和感を感じた。

「お待たせてしてすみません！
さ、行きましょうか」

いつもの安室スマイルでこちらへ来ると、さりげなく私の荷物を持ち車へとエスコートしようとする彼。

いつも通りのスマートな所作の“安室さん”だが、何かが違う気がする…

じっと見つめていると、彼がにこりと微笑んだ。

「どうかしました？Aさん」

『！！』

この人…………零じゃない！！

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