乱歩さんの妹は米花町に引っ越すようです

24話 ページ24

────バンッ




勢いよく扉が開くとほぼ同時に
何かが突進してくるそれも猛スピードで



あれ、なんかデジャヴ





そして、そのスピードのまま抱きつかれる






乱「A！！」




うん、誰かは知ってた




貴「…お兄ちゃん、ちょ、苦しい」




背中を叩くが力があまり入らないため
ぽすぽすという情けないと音しか出ない




乱「あ…うん、ごめん」




そう言ってそっと身体を離す




乱「敦くん！なんでもっと早く言わないのさ！！」




敦「あ、すいません
そこまで気が回らなくて…」




敦くんが謝罪するもお兄ちゃんは
頬を膨らませたままそっぽを向く




貴「…お菓子」




僕が言うとお兄ちゃんは敦くんを見る




敦「Aさん、どうぞ」




差し出されたのはお菓子が沢山入った籠





…敦くんに持たせてたんだ





受け取った籠の中を見ると
僕の好きなお菓子ばっかりが入っていた





貴「ありがと！お兄ちゃん！！」




乱「大事な妹のためだからね」





そう言って頭を撫でられる





貴「あ、だからか」




乱「なにが？」





貴「お兄ちゃんがよく頭撫でてくれるから
僕も人の頭よく撫でるんだ、ね？敦くん」




敦くんの方を見て笑いかける


だが、僕とは対照的に敦くんの表情は凍りつく






乱「ふーん…敦くんがねぇ
僕はしてもらったことないのに」





あっ、選択肢間違えた




ﾗｽﾎﾞｽ乱歩ｶﾞ現ﾚﾀﾄﾞｳｽﾙ

▶敦ｦｶﾊﾞｳ

ﾆｹﾞﾙ



流石に逃げるのは可哀想だ



▶ﾎﾞｳｶﾝｽﾙ




うん、完璧





お菓子をむしゃむしゃ食べながら
2人のやり取りを見る




貴「あ、このお菓子おいしい」




乱「でしょ！！Aのために
取り寄せておいたんだ」





即行でこっちにきた

…お取り寄せしたクッキー




貴「ありがとうお兄ちゃんも一緒に食べよ」




ベッドを軽く叩くとお兄ちゃんが横に座る



敦くんをちらっと見ると
すごく頭を下げられた



あっ…図らずも敦ｦｶﾊﾞｳを選択していた

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