乱歩さんの妹は米花町に引っ越すようです

18話 ページ18

この2人に関しては詮索は無用だ
ということで残りのメンバーに声をかける




貴「敦くん元気にしてた？」


手を振ると怯えながら
ぎこちない笑顔を見せる敦くん


ん……？なんで怯えてるんだ？




敦の後ろからゆらりと動く影

────否、太宰



太「敦くんなんで君が先に
声をかけられるのかなァ？」



太宰の顔はあれだ目が死んでる



敦「ひっ…ふ、不可抗力ですよ！太宰さん！！」



2人は何故か言い争いを始めた




貴「国木田あれは…？」



国木田の服を引っ張り尋ねる



国「いや、お前は一生知らなくていい」



貴「…そう」




太宰とは比べものにならないほどまともな
国木田が言うのだから知らない方がいいだろう




社「向こうでは上手くやれているか」



社長の声に振り向くと
膝に鏡花ちゃんを乗せて頭を撫でていた




貴「うん、近所の人も助けてくれるし
それに友達も出来たよ」



僕の言葉に社長は口元を緩め
そうか、と一言いった




賢「Aさん！見てください！！」



そこには早くも礼服を身に纏う
賢治くんがいた



賢「こんなお洋服着たことないので
すっごい嬉しいです！！」



満面の笑みを浮かべている



ナ「そのお洋服、ナオミたちで選びましたの」




得意気な顔をするナオミちゃんとは対照的に
乱れた服を正しながらげっそりとする谷崎




貴「賢治くんにとっても似合ってる
2人ともさすがだね」




嬉しそうにする賢治くんとナオミちゃん
いつか拐かされないか心配だ



……うん、既にされてた




貴「国木田仕事はいつから？」



国「今から約1時間半後だ」




現在は4時25分だから
5時半に戻ってこればいいかな




貴「分かった、会場の下見に行ってくる」



乱「あ、僕も着いてくよ」



貴「ありがと」



乱「とーぜん、僕の妹なんだから」



久しぶりに言ってもらえて嬉しくなる



太「だったら私も」

乱「来なくていい」




…この際太宰は見なかったことにしよう

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