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12~You said~ ページ12

結局仕事を終えて帰宅したのは23時を過ぎていた。



何も食べる気になれず、とりあえずビールだけ飲みながらわっくんと戯れる。








(待ってなくていいって言ったもん)




そう思いながらも足が向くのは渉くん部屋で、不特定多数の人たちに向けて浮かべている笑顔を見て胸が苦しくなる。







シャワーを浴びて、もう1本ビールを飲み終えたのが1時過ぎ。


さすがにもう寝ただろうと思ってベランダからすこし覗き込んでみたら、渉くんの家はまだ明かりが付けられていた。








あ「もう!なんでよ!」






気持ちとは裏腹な悪態を付きながら、隣の家の呼び鈴を鳴らす。









渉「おまえは来るって思ってたよ」







そう言って私を部屋の中へ招き入れた。






起きてるのがわかったからって、こんな時間にのこのこやって来て良かったのかな…







リビングのソファーに促され、しばらくすると渉くんは紅茶を入れて持って来てくれた。








あ「どうして起きてたの?」

渉「待ってるって言ったじゃん」

あ「迷惑…」

渉「本当に?じゃあなんで来たの?」

あ「それは…お、お礼はちゃんとしなくちゃって思ったからッ」







どうぞっておかゆを入れてくれていたタッパーと、わんちゃんたち用のおやつとかおもちゃとかを渡した。







渉「俺にじゃないの?」

あ「渉くんには何をあげたらいいかわかんなかったから」

渉「ふーん、まぁいいけど。お礼とか望んで助けたわけじゃないし。それよりさ、顔上げてよ。Aは俺と会えたの嬉しくなかったの?」






会いたくはなかったか…あの時、俺が気持ち伝えた次の日にいなくなっちゃったくらいだもんな…


って、苦笑いしながら悲しそうな顔を浮かべた。







何も言えない。








渉「ね、何があったの?なんで急にいなくなったの?なんで名字長谷川なの?」

あ「…そんなに一気に聞かないで。渉くんこそ、急にいなくなった私のことなんて忘れてたんでしょ?」

渉「質問してるの俺なんだけど…俺は、忘れてなかったよ。忘れたフリはしてたけど、忘れらんなくてずっと引っ掛かってた。A、どこで何してたの?」







私は渉くんを苦しめていたのかな?

あの日『ありがとう』じゃなく、ちゃんと伝えていたら、あなたを悩ませずに苦しめずに済んだ?

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みなみ(プロフ) - ユカ子さん» コメント、ご指摘ありがとうございます。私個人としては「w」で統一してるので、今のところ変えるつもりはありません。ご理解頂けると嬉しいです。今後の参考にさせて頂きます。 (2015年11月28日 16時) (レス) id: ea6eeab55c (このIDを非表示/違反報告)
ユカ子(プロフ) - wより(笑)のほうがいいと思います。 (2015年11月28日 16時) (レス) id: 974d9893bf (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みなみ | 作成日時:2015年11月11日 17時

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