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デリマネ3 ページ4

とりあえずタオルは全部畳んでカゴに入れた。
これは掃除の前にベンチまで持って行くんだったっけな。

「よいせっと。」

ババアみたいとか言うな。
いくらフワフワなタオルといえど数が多くなると重いんだよ。

「桃井さん、カゴはここに置いておきますね。」

と言ってさっさとその場を離れた。
桃井さんは集中してデータを記録してたから声をかけた事は多分気づいてないと思うけどすぐにカゴに気づくはず。
次は掃除。今までたくさんの部室を見てきたから色んなパターンが浮かぶ。さっさと終わらせるか…。

「思ってたより酷いなー。」

死んだ目で目の前のロッカーを見る。
正確にはロッカーの中だ。
このロッカーを使っているのはキセキの世代。その一人、青峰大輝。
桃井さんが言っていたので整理整頓が苦手なのは察していたが、ここまで酷いとは思っていなかった。

現状を説明しよう。
まず、練習の時に着ていたであろうシャツが大量に突っ込まれ、その上には課題らしいプリントが散乱していた。他にもお菓子のゴミなどがグチャグチャに散らかっており、ロッカーの扉を開けた瞬間に雪崩のごとき勢いで崩れ落ちてきた。

ゴミ袋を片手に握りしめながらプルプルと怒りで震える私の心情を誰か察してくれ。

プロ根性で頑張れというところだが、触りたくないという気持ちに打ち負けそうだ。

「…先にスポドリ作っておくか。」



打ち負けた。





「桃井さん、部室の掃除が思っていたより大変そうだったので先にドリンクを作ってきました。ここに置いておきますね。」

「ごめんなさい黒崎さん!青峰くんにはキツく言っておきます!」

「あはは、お願いします。」

掃除を後回しにした理由を察して申し訳なさそうに頭を下げる桃井さんに「苦労人だなー。」と思いながら頭を上げさせる。あの暴君の幼なじみとは大変そうで。

「桃井!ほんなら青峰にロッカーの片付け手伝わせたり!流石にもう整理整頓は出来るようにせなあアカンからなぁ。」

「はぁ?なんで俺がんなことしねえといけねえんだよ。」

「そうですね!青峰くん、自分で散らかしたなら自分で片付けて!」

ごもっとも。
しかし、私もまだ部室の掃除終わってないんだよね。出来るだけ関わりない人と一緒にはいたくないわ。気まずすぎるだろ。

「わ、私は一人でも大丈夫ですよ?」

てか一人の方が良い。

「ダメです!甘やかしたら余計にしなくなっちゃう!」

「わーったよ。手伝えばいいんだろ。」

わー、決定しちゃったよ。

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黒胡椒(プロフ) - 面白いです!更新まってます! (2020年3月3日 9時) (レス) id: e2f590a1cb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ふろおけ | 作成日時:2020年2月17日 0時

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