[文スト]素敵帽子と交際中[中原中也]

幸せ四割、酒が回ると苦労六割 ページ6

ーA目線ー


早くも僕が買ってきた酒瓶は殻になり、




机の上で転がっている。









僕？僕はあまり酔わなく、そこまで飲まないの

だけれど、彼は僕とは真逆でね...。







「んでェ、そん時だざぁがぁ」







最早呂律が回っていなく、太宰など既に




太宰の"い"が言えなくなってしまい、




先程から「だざぁだざぁ」と言っている。








「あのね中也...明日は非番だけど流石に今日は

飲みす」








「あァ"!? いつも通りだろうが！！」







「..いやいつもは一本の半分で終わってるよ..」









すると彼は手につまみとして用意していたピーナッツ

を投げてくる。









..母さん、僕がやっと巡り合えた大切な人はこんな



人です、お願いだから怒らないでおくれ..









「だいったい!!手前が今日に限って、俺の好きなの

買ってくんのが悪いんだろぉがぁ！!」









そう言って何度も机を叩く中也。









「そうだね、僕が悪い..」







「手前は悪くねェ!!!」









「矛盾していないかいそれ？」









酒の回るのが早い彼は、基本先程言った通り一本半ぐらい






でやめる。というか僕が止めている。









一本半なら少しすれば落ち着いて寝てくれるのだが




こうなればもう誰にも止められない。









「明日出かけるって言ったばかりなのに、全く..。

あ、ってこら君、新しい瓶を開けるんじゃない！！」









...前言撤回、幸せ四割、酒が回ると苦労6割。

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