孤爪姉のトリセツ【黒尾鉄郎】 (ページ8)

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トリセツ七ページ8

夢主side

日向「Aー！」

「あっ翔陽だ」

片付けも無事終わって帰るとき、翔陽がこちらに向かって走ってきた。

「お疲れ翔陽。試合見たよ、凄い速攻だね」

日向「ホント！？ありがとな！」

「うん、研磨もびっくりしてた」

日向「でも負けた。次は負けねぇ！」

翔陽はそう熱く語った。翔陽って私よりも小さい体なのに凄いな、と思った。

「次戦うときはもっと強くなるから」

日向「そうこなくちゃな！次会うときは全国かな？」

「んー、もしかしたらまた練習試合できるかもよ」

日向「どっちにしろ負けねぇ！」

「ふふっ期待してる」

日向「……」

急に静かになってジーッと私の顔を見てきた翔陽。どうしたのかな。

「翔陽？」

日向「Aってホントに研磨のおねーさん？」

え？何急に。

「なんで？」

日向「研磨とは違うなーって」

「当たり前じゃない。姉弟っていっても全部が全部一緒じゃないもん」

日向「そーなのかー。研磨ってさ、いつもああなの？」

「？」

日向「勝っても負けてもどーとも思わないっていうか、無気力というか…」

「あぁ…」

まぁ研磨は、昔からそうだから。
鉄郎に誘われたバレーも、私は好きになったけど研磨はそーでもなさそうだし、まぁこなしてはいるんだけどね。

それでも、翔陽みたいなバレー大好き人間とはほど遠いよね。どうやってサボろうかとか、馬鹿なことに頭使うし。

それでもね、

「辞めたことは一度もないの」

日向「！」

「中学校の時とかは練習キツいとしょっちゅう熱出したりしてたけどそれでも辞めたことはない、一度も」

日向「…俺、研磨に言ったんだ。次やるときには絶対に「楽しかった」とか言わせるって」

「そうなんだ…期待してるからね」

日向「おうよ！じゃあなA！」

「またね」

私は少し屈んで翔陽のほっぺにキスをして、鉄郎達のところに戻った。

黒尾「チビちゃんと何話してたんだー？」

「別n(((烏野「「「うぉぉああああ！！！日向がショートしたぁぁ！！！」」」

音駒「「「え」」」

振り返ると顔を真っ赤にした翔陽が、先輩たちに抱えられていた。

「翔陽どーしたんだろ」

黒尾「お前まさか何かしたのか」

「ほっぺにちゅーしただけ」

黒尾「うん、お前の責任だぞ」

「え？」

トリセツその四、天然男たらしなので目を離さないこと。離せばどんどんフラグがたっていく。

夜久「また1本たったな」

黒尾「そうだねやっくん」