孤爪姉のトリセツ【黒尾鉄郎】 (ページ6)

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トリセツ五ページ6

夢主side

清水「じゃあ、まずドリンク作ろっか。水道はあっちだよ」

「ん」

この人は凄く出来た人だなぁと思った。マネの後輩はいなさそうだから1人だったのだろうけど、手際がいいし私にも教えてくれる。

あと敬語いらないって言ってくれた。上下関係気にしない人すきだ。

清水「ねぇ」

「？」

清水「黒尾とはどんな関係なの？」

「ただの幼なじみだよ」

清水「そうだったんだ。
黒尾のこと好きなの？」

「……………

す…

すき…」

清水「ふふっAちゃん可愛い」

「む…そーゆー潔子ちゃんは誰がすきなの」

清水「えっ私？私は別にいないよ」

「えー、ずるいよ」

潔子ちゃんと恋バナしながらドリンクを作った。女子と話したのは久しぶりだった。楽しいなと思った。

清水「どーして付き合わないの？黒尾もAちゃんのこと好きだと思うよ？」

「…鉄郎の好きは、私の好きじゃないもん」

清水「……」

私は鉄郎が好きだ。大好きだ。
笑った顔も怒った顔も悔しくて泣いてる顔も、全部含めて大好きなんだ。

鉄郎も私のことが好きだ、と、思う。ただ違うのは好きの種類。

鉄郎の好きは私の好きじゃない。

それでも、いい。
付き合えなくていい。

いつか鉄郎には私よりも大切な人が出来るのかもしれない。苦しいし辛いけど、これは今まで迷惑かけてきたツケだと考えれば少し楽だ。

私は、鉄郎の幼なじみ。

ただ、それでいい。そばに居られれば。

潔子ちゃんにそう言った。
自分で言って、自分で傷ついた。

潔子ちゃんは何も言わず、優しく微笑んでくれた。

私も潔子ちゃんみたいになりたいな。
きっと潔子ちゃんみたいな人が、鉄郎と釣り合うんだ。

清水「できたね。じゃあ行こっか」

「ん」

ドリンクの入った籠を持って体育館に向かった。