孤爪姉のトリセツ【黒尾鉄郎】 (ページ5)

今日:28 hit、昨日:13 hit、合計:303,155 hit

トリセツ四ページ5

清水side

？？「あーそこの！烏野のマネちゃん！」

体育館に入るとき、後ろから知らない声がして立ち止まった。振り向くとそこには赤いジャージの人。確か音駒の主将だ。

「何ですか」

黒尾「ごめんね急に。俺ぁ音駒の主将の黒尾鉄郎」

「マネージャーの清水潔子です」

黒尾「オッケー、潔子ちゃんね。
実はさこっちにもマネがいんのよ。だから紹介させてくんない？」

マネ。と聞いた途端、喜びと同時に少しの緊張が走った。

黒尾は「A、こっち来い！」と田中たちが居る方へ手招きする。それに反応した田中がこっちを向いて威嚇しようとしたけど、菅原の体裁が下り、それは叶わなかった。

そしてとてとてと可愛らしい小走りで来たのは、赤いジャージの女の子。

私より背が高い、凄く可愛い子だった。

でも、「自己紹介して」と黒尾に言われて口を開いたその子は少し不思議ちゃんだった。

A「マネージャーの孤爪A」

黒尾「です」

A「です」

「ふふ」

思わず笑ってしまった。
Aちゃんは後輩なんだろうけど敬語が苦手なんだ。見た目のクールビューティーさとのギャップが可愛い。
そんなAちゃんを後ろからサポートしてる黒尾も微笑ましくて笑ってしまう。

兄妹…ではないんだろうな。恋人、なのかな。

黒尾「じゃあ潔子ちゃん、コイツ頼むわ」

「うん、大丈夫」

黒尾「A、先輩のいうこと聞きなさいよー？」

A「ん」

黒尾「うしっ。あー、ちなみに潔子ちゃん、」

黒尾がAちゃんの頭を撫でながら言った。

黒尾「コイツ1人でフラフラするから、手ェ握っといてくれ」

「？はぁ」

そんなにも迷子になってしまう子なのだろうか。
黒尾は手でごめんのポーズをとりながら体育館に入ってった。

「じゃあ、私たちも行こっか」

A「ん…あ、はい」

「ふふっ」

手を差し出すと握ってくれた。
大きな妹が出来たようだった。