14話 ページ15
「じゃあ、聖川財閥次期当主として言うね？
鈴木ちゃん家を潰されたくなかったらここから消えて？
はーやーくー。」
「えっ！？
分かった！分かったから止めて！！」
黛さんも吃驚して目を見開いてこちらを見ている。
顔を公に出していなかったから、当然かな？
「失礼しました！！」
鈴木ちゃんは、荒々しく扉を開けて出ていった。
あんなこといったけど、鈴木ちゃん家はもうすぐ潰れちゃうんだよねー。
聖川財閥が何もしなくても、さ。
「ははっ…俺が何もしないほうが、よかったってことか？
本当に邪魔しかできないな、わるい。」
何かを諦めたような顔で、自嘲していた。
それは、私があの日惚れた黛さんだった。
「黛さん、好きです。」
言葉に出来ないから、好きで代弁させていただく。
類似が多すぎる。
大切、愛してる、大好き、執着、
愛され、たい。
「お前も、俺を代わりにしたいのか？」
黛さんは、黛さん自身を嗤っていた。
滑稽だ、バカらしい。
そんな目で自身を嘲笑う。
「何もない俺と、何でも持ってるお前。
影にしか。いや…
何者にもなれない俺に、何を求めてるんだ？」
「っ、貴方が！欲しい！！」
「…俺は、裏切られるなら、期待しない。
いつか切り捨てられるなら、期待なんてしたくない。
…お前の未来に、俺はいらない。
お前はいつか、財閥のために良いとこのお坊ちゃんとかと結婚しなきゃならんだろ？
俺じゃ、最初から役不足だ。」
始めから諦めるな、とか。
そんなことを言うつもりもない。
現に、私にもいずれそんな話がくるだろう。
「でも、嬉しいよ。
こんな奴を好きになってくれて、ありがとな」
本当に、全部諦めたように笑って、
黛さんは柵に寄りかかって座った。
現実に、戻ろうとしているようだった。
何事もなかったように。
忘れようと、するように。
ｶﾞｼｬﾝｯ
「ふざけるなっ！！」
こんな低い声は、自分でも初めて聞いたかもしれない。
こんなに冷静に考えられるのは、異常なくらい顔も体も熱いから。
黛さんの顔の隣を蹴るようにして、柵を鳴らした。
足はそのままに、
ガシャンと響いた音を聞いていた。
今、私は、こんな風に、胸がいたい。
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リラリル(プロフ) - ＱＯＯさん» その通りです！気づいていただけて嬉しいです。読んでくださり、ありがとうございます！！ (2018年2月19日 7時) (
レス) id: d635714045 (このIDを非表示/違反報告)
ＱＯＯ - 自己紹介のやつ涼宮ハルヒのやつですよね？夢主が言っていて思わず笑ってしまいました。とても面白かったです！！ (2018年2月19日 6時) (レス) id: 5adcb33c47 (このIDを非表示/違反報告)
リラリル(プロフ) - まかろんさん» こちらこそ、読んでいただきありがとうございました！とても嬉しいです(＊^^＊)お付き合いいただき本当にありがとうございます！！ (2017年12月6日 19時) (レス) id: d635714045 (このIDを非表示/違反報告)
まかろん - 完結しましたね(´；ω；｀)感動しすぎてぇこんなに素敵な小説を！ありがとうございます！ (2017年12月6日 13時) (レス) id: 4f36433059 (このIDを非表示/違反報告)
リラリル(プロフ) - まかろんさん» ありがとうございます！この頃更新できなくてすみません…がんばりますね(^^) (2017年3月27日 11時) (レス) id: d635714045 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黛善財 x他2人 | 作成日時：2016年8月24日 23時
