旦那様 (仮) 36 ページ36
.
現在10時5分。裕貴くんと過ごせる時間は沢山ある。
この状況を打破するためにも、私は「 行こっか 」と呟いた。
「 うん、そうだね 」
「 ん…あ、先に紅葉並木見に行こうよ! 」
うん。と、裕貴くんが嬉しそうに頷いたのを気に歩き始めた私たち。
あまりの気温の低さに、つくづく手袋を忘れたことを公開しては、伸びない生地の袖を無理矢理に引っ張り手をすっぽりと入れる。
「 A、手袋忘れた? 」
「 あ、ばれた?…そうなんだよね…はぁもう本当ドジ… 」
体を屈めて顔を覗き込んで聞いてくる裕貴くんは、紺色の革の手袋を嵌めていた。
…裕貴くん、そんなのも買ったのか…大分無理したことだろう ←
「 じゃあ…はい。片方だけだけど… 」
あろう事か、裕貴くんは自分の手袋の左の片方を私に差し出してくる。
…まじか!!裕貴くんの温もりが詰まった手袋を嵌められるのか…!! ←
何だろう。今日はいつにもまして紳士。
ちゃっかり裕貴くんが車道側で歩いてるから私の右側で歩いてるし、自転車が向かいから来る時も肩を寄せられたり…
…積極的な裕貴くんもオールオッケーですけどね! ←
でもそれどころじゃない。
私が借りると裕貴くんの左手が冷たくなっちゃう…
「 凄く嬉しいけど、裕貴くんの左手が… 」
「 それを言うならAの右手もね 」
「 う… 」
痛いところを突いてくるぜ旦那様… ←
私も気づいてた上で言ったからね。
「 だから、…はい 」
裕貴くんの指先が赤くなった左手が私の前に差し出される。
「 手、繋ご? 」
(この作品の評価、まだされてない方是非お願い致します )
137人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
琉李(プロフ) - 魅恋空さん» コメントありがとうございます!そう言っていただければ嬉しいです♪ (2017年4月12日 6時) (レス) id: b336a701b4 (このIDを非表示/違反報告)
魅恋空(プロフ) - すっごく面白かったです!更新頑張ってください! (2017年4月9日 18時) (レス) id: a975c21405 (このIDを非表示/違反報告)
琉李(プロフ) - 奏瑠さん» ありがとうございます!! コメントを励みに頑張ります♪ (2017年1月26日 19時) (レス) id: b336a701b4 (このIDを非表示/違反報告)
奏瑠(プロフ) - 更新頑張ってください!応援してます! (2017年1月26日 17時) (レス) id: cb13910486 (このIDを非表示/違反報告)
琉李(プロフ) - 涙 * 78さん» ありがとうございます!そう言っていただけると嬉しいです♪ (2017年1月9日 13時) (レス) id: b336a701b4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:琉李 | 作成日時:2017年1月8日 19時