猫かぶり少女の憂鬱

思惑通り ページ29

中間テスト。全校生徒が本校舎で受ける決まり

つまり私たちE組だけアウェーな戦いになる

コンコンコン…と続く指を机に当てて出す音

───相変わらず本校舎の先生は変な人ばっかりだ

乾咳や騒音を立てて、集中力を乱そうとしている

が、今のE組にとってそれはもはや影響すら与えない

殺せんせーに教えられたこと、ちゃんと生きてる

皆のペンが進んでいく音がする

…いける。解ける。…でもおかしい所がある




え？………この問題って………




…そこで初めて見えない敵がいたことに気づく






烏「テスト2日前に大幅に範囲を変えるなんて…！」

烏間先生の講義も虚しく、そこで電話は終わってしまった

見えない敵…それは私達が範囲として勉強した部分とは別の範囲

恐らくはあの理事長様のやり口に違いない

殺「…先生の責任です。この学校の仕組みを甘く見すぎていたようです。…君たちに顔向けできません」

殺せんせーは私たちに背を向け黙ってしまった

業「Aちゃん。ちょっとテスト貸して」

あ「ちょっと！」

返事も聞かず、テスト用紙を強引に奪われ業くんは先生にナイフを投げつけた

殺「にゅやっ!?」

業「いいの〜？顔向けできなかったら、俺が殺しに来んのも見えないよ」

間一髪出避けた先生は、アタフタしつつ業くんが置いたテスト用紙をまじまじと見つめる

業「俺、問題変わっても関係ないし」

理科 99 国語 98 数学 100 社会 99 英語 98 合計494 186人中4位

そのテストを見てざわつくクラス。そして

木「待てよ!?まだテストがって…神楽さん!?」

殺「神楽さん。まさかあなたも」

クラス中の視線が私に集まる

きっと業くんは殺せんせーを引き止めるためにこの役をかってでた。

…だとすればそれは私も合わせるべきだろう

あ「理科 99 国語100 数学 100 社会 99 英語 96 合計494 186人中4位 だよ。殺せんせー」

クラスがしんと静まる

この沈黙は苦手。だけどね先生。私本気出すって決めたの

あ「殺せんせーが、私に合わせてたくさんの範囲を教えてくれたから取れたんだよ」

業くんにアイコンタクトする

業「…で？どーすんのそっちは？」

業「殺されんのが怖いだけなんじゃないの？」

業くんが次々と煽り立てていくことで、みんながそれに乗っかり始める

殺「逃げる訳ありません!!期末テストであいつらに倍返しでリベンジです!!」

思惑通り、殺せんせーはその場に留まることとなった

業くんって優しいよね

ふとそんなことを思ってしまった

大丈夫でしょ→←危機感

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