猫かぶり少女の憂鬱

大人にはね ページ22

烏「…今日から来た外国語の臨時講師を紹介する」

イ「イリーナ・イェラビッチと申します。皆さんよろしく!!」

殺せんせーにベタベタするその女性は。

あ「おわぁ…」

胸より下の長さで軽く巻いてあるセンター分けの綺麗なブロンドの髪、

ブルーの瞳に、透き通るような白い肌

業くんより少し低いとはいえ私より約10cmほど高い身長。

何より……

『すっげー美人』『胸やべーな』

どこぞの男子から漏れ聞こえてくる感想。

"表"では外国語教師として来ているが、

"裏"の意味ではアサシンとしてきたのは明白だった。

あ「凄い人送り込んだな…」

業「政府もまさか"そっち系"投入してくるとはね」

業くんはああゆう綺麗な女性には興味は無いのだろうか

全く動じないんだ…女の私ですら見惚れる美人だけど。

生徒こそまだ正気であるというのに

『『殺せんせーデレデレじゃねぇか!!!』』

クラスのみんなの声が聞こえた気がした…



休み時間。

暇に任せて暗殺の練習なり本人に武器を奮っていると

イ「すっごく足がお早いんですって？お願いがあるの。一度本場のベトナムコーヒーを飲んでみたくて」

なんて言おうものなら

殺「お安いご用です。ベトナムにいい店を知ってますから」

マッハ20でひとっ飛びだった。

正直中学生でも見え見えの"ハニートラップ"であるというのに。

…殺せんせーはほんとに惚れている…？

…それとも…

イ「あのタコの前以外で先生を演じるつもりもないし…」

だろうな。

業「で、どーすんの？ビッチねぇさん」

煽った…！相変わらず怖いもの知らずというか、恐怖って感情を知らないのか…凄い

業「あんた殺し屋なんでしょ？クラス総がかりで殺せないモンスター。ビッチねぇさん1人で殺れんの？」

綺麗な顔に似合わない性格の悪そうな笑みを浮かべて

イ「大人にはね、大人の殺り方があるのよ」

そういうと渚くんを呼ぶ。

近づくや否や

「「「!!!」」」

…大人の…キスを…かました…

茅「なっ…!?」

頬を赤く染めて、焦るカエデ。

…何せ相手が渚くんだもんね…

勝手に思い込んでいるのだが、カエデは渚くんに少し好意を抱いている気がする

あ「気持ちはわかるけどカエデ、落ち着こうか…」

同情するよと肩に手を回すと抱きつかれる

予想は合ってるのかな。これは。

茅「これさぁ…」

と言ったきり、胸に顔を填めて現実逃避していた。

さすがの私もソレを直視するのは気が引けた。

真ん中→←素直に

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