猫かぶり少女の憂鬱

狙う ページ20

業side

磯「岡島…そういう話好きだなぁ」

思春期の男子らしい会話っちゃ会話か

とは思うけど、

岡「いやあのさ、神楽さん結構可愛くね？てか意外とスタイルいいと思うんだけど！」

前「岡島！お前わかるやつだな！！話してたら相槌してくれるし？笑顔は絶やさないし儚い感じあるよな!?」

うぇーい！なんてハイタッチして結託してる

なーんか、変にAちゃんの事騒がないで欲しいな

前「それでよカルマ！お前神楽ちゃんとはどーなのよ」

業「は？」

…まさかとは思うけど、こっちもこっちで囲み取材受けるパターンなの？

うちのクラスは仲がいいよね。ほんと…

磯「そういえば、特定の女の子と仲良くしてるのは珍しいよな」

業「そ？隣だしフツーじゃない？」

その答えに、お前に限ってなーなんてボヤく。

磯貝くんは言葉の裏をとろうとしない。いい子だから、扱いやすい。

前「え!?お前まじかよ〜俺、神楽ちゃん狙おっかな」

岡「カルマ相手じゃ皆手出さねぇけど、違うとなればこれから狙いやすいわ」

"狙う"ねぇ…

業「簡単に落ちないと思うよ？ガード固いからね」

潮「…それってまさか…」

口を開きかけた渚くんの声を

「キーンコーンカーンコーン…」

始業のベルが鳴り響き、かき消した。


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チャイムのおかげで何とか開放された。

あ「みんな怖い…」

授業が進む中、思わずさっきのことを思い出して、口から出てしまう。

業「楽しそうだったね。何の話してたの」

相変わらず嘘つきな笑顔で話しかけてくる。

あ「予測ついてるくせに」

業「んー？わかんないなぁ」

なんて背もたれに寄っかかって笑う

相変わらずの意地悪だけど、前よりは優しく感じる

あ「そっちこそ。何話してたの？」

業「秘密」

あ「何それ」

秘密と言われればもっと知りたいのが人というものだ。

目で訴えかけるものの、

業「"Aちゃんは"知らなくていいよ」

と、よくわからない、含みを持たせたような切り返しで、言葉を繋げなかった。

気になるな…なんて思っていたら

まなみがやけにソワソワしているのに気がついた。

あ「まなみ…？」

奥「先生！これ毒です！！飲んでください！！」

突然の公開告白ならぬ…"公開暗殺"でクラスがざわつく

あ「これはまた、まなみの素直さが出過ぎた暗殺(？)だな…」

業「あの子イタズラに使えそう」

不穏な言葉も聞こえたけど。

浮ついた心を落ち着かせるにはいいタイミングだった。

素直に→←食いつく

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