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私達は2年ぶりに日本を訪れていた。

私は16歳、お姉ちゃんは20歳になった。

「ヒロ!!」

羽田国際空港で、アメリカのパスポートを見せて入国する。

そんな当たり前なことが、私にとっては本当に奇跡みたいな出来事だった。

入国ゲートを過ぎたところに立っていた光…ヒロに飛びつく。

「A!また背が高くなったか?」

「うん!今ね、165センチあるのよ」

私は胸を張る。

「全く…。シックスティーンになるっていうのに未だに落ち着きが無いんだから…」

はぁ、とため息をつきながら私の後を追ってくるのはお姉ちゃんだ。

「久しぶり…だな」

「ええ、久しぶりね」

お姉ちゃんと会話をするのは零だ。

そして。

「何で…お前まで…」

零は新たに現れた人物を忌々しそうに見つめる。

「おお!秀一、元気だったか!!」

ヒロはその人物…秀一と嬉しそうに再会の抱擁を交わした。

「ヒロ。君も相変わらず元気そうだな」

ヒロと零は、あれから一線を退き、今は公安で指揮監督として働いている。

忙しいのは相変わらずみたいだ。




「学校はどうだ?」

ヒロは私に尋ねる。

「嗚呼、そういえば。去年のダンスパーティでAは何人もの男の子に申し込まれていたみたいだぞ」

「ちょっと秀一!何でそれを知ってるの?!」

私は思わず大声をあげる。

秀一は一切知らないと思っていたのに!

「ん?嗚呼、本堂くんから聞いてな」

「瑛海ったら…!」

私は恥ずかしさのあまり、両手で顔を覆った。

数ヶ月前に瑛海に相談した私を殴ってやりたい。

CIAの秘密保持ってどうなってるのかしらね?!

「で?Aは誰と行ったの?」

「諸伏さん…。目が笑ってないわよ」

お姉ちゃんが苦笑いをして、ヒロを見る。

「え、えっと…。ヒロには関係無いでしょ!」

私がそう言うと、明らかに落ち込む様子を見せたヒロ。

「残念だったな」

零はヒロの肩を叩く。

「過保護な兄は嫌われるぞ、ヒロ」

「あら?この前真純さんに電話越しに『秀兄はいちいち細かいんだよ!恋愛くらい僕の好き勝手にさせてくれ!』って怒鳴られていたのは何処の誰かしら?」

「おい、志保。何でそれを…」

珍しく慌てた様子の秀一を見て、ふふふ、と少し意地悪そうに笑ったお姉ちゃん。

「ほら!東都大学行くよ!新一くんと蘭ちゃんに会いに行くんだから!」

私は終わりそうにもないお喋りをする皆を急かし、出口へと歩いていった。

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莉咲(プロフ) - 因みに私の夢主ちゃんのイメージは黒髪ロングで黒い瞳ですかね。普段はタレ目だけど銃構えたらツリ目なる的な(!?) (2020年11月26日 13時) (レス) id: 0f6e4a6db1 (このIDを非表示/違反報告)
莉咲(プロフ) - すっごく面白いです!この作品を見つけたのは随分前なんですけど、それから何度読み返したか分かりません…!!こんな神作品をありがとうございました!! (2020年11月26日 12時) (レス) id: 0f6e4a6db1 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 了解です (2020年5月31日 18時) (レス) id: e826140184 (このIDを非表示/違反報告)
暁月真愛(プロフ) - 舞さん» 舞さん、最後まで読んでいただきありがとうございました!続編は今のところ考えてはおりません。申し訳ありません。でも、何かの形でこの物語を広げていけたらとは思っております! (2020年5月31日 12時) (レス) id: 6e8c5a7bd5 (このIDを非表示/違反報告)
暁月真愛(プロフ) - ゆいさん» 返信遅くなり申し訳ありません。楽しんでいただけたようで何よりです!ひとつお聞きしたいことがあるのですが、ゆいさんの中での主人公はどのような容姿をしていましたか?教えて下さると嬉しいです(*^^*) (2020年5月31日 12時) (レス) id: 6e8c5a7bd5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:暁月真愛 | 作成日時:2020年4月16日 12時

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