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銃撃の音が怖いほど静かに響いている。

インカムからではなく、自分の耳に直接音が届いた。

ジンは先程、FBIの手によって捉えられていた。

「おいっ、待て!!」

私の真横でジンは隠し持っていたベレッタを取り出し、自身のこめかみに当てる。

私はとっさにP7M8を取り出し、そのベレッタを撃ち抜いた。

「ちっ、シンデレラ。てめぇの面がまた拝めるとはな」

ジンは私を睨みつける。

「あんたを死なせやしないわ。きちんと償ってもらう」

私はジンを睨み返した。

「フッ…。良い目するじゃあねぇか」

私はその言葉を無視し、アジトの中に突入していく。



まだ、あの人が残っているはずだ。

そう。…ベルモット。

途中で敵の妨害に遭うが、一人ひとり絞めていく。

久しぶりに足を踏み入れたアジトは全く変わっていなかった。

「Aさん!?」

風見さんは私を見ると、驚いた顔をする。

「状況は?」

「8割は逮捕しました。でも、まだ重要幹部はジンとウォッカぐらいで…」

「そう」

「Aさん!!」

奥から顔を出したのはコナンくんだった。

「坊や!危ないからすぐに離れるんだ!!」

風見さんはコナンくんがアジトに突入したことを知らなかったみたいだ。

…彼の性格を考えれば、突入することは容易に予測できたでしょうに。

「まだベルモットが見つかっていないんだ!!」

「私に心当たりがある。着いてきて」

私はズンズンとアジトの中を進む。

コナンくんも私の後ろを着いてくる。

見渡す限り、粗方の組織のメンバーはもういない。

それぞれ確保されたのだろう。



私が瓦礫だらけのアジトを進み辿り着いたのは、ある部屋の前だった。

そこはコンクリートの壁のようになっており、一見解錠するのは不可能そうだ。

しかし私は慣れた手付きで解錠していく。

4桁のパスワードから始まり、最後は36桁のパスワード。

「まさか、ここ…」

コナンくんが呟く。

「正解。私が生まれたときから閉じ込められていた部屋よ」

…何度この数字の羅列を忘れたいと願ったことか。

でも、忘れることがどうしてもできなかった。

その悪夢のような記憶が今になって役立つなんて。

何て皮肉なんだろう。

ピンッ

甲高い電子音が解錠を告げる。


扉が開き、見えたのはブロンドヘアーの背中だ。

「…やっぱり、生きていたのね。シンデレラ」

「ええ。…ベルモット」

そこには4年前とちっとも変わらないベルモットの姿があった。

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莉咲(プロフ) - 因みに私の夢主ちゃんのイメージは黒髪ロングで黒い瞳ですかね。普段はタレ目だけど銃構えたらツリ目なる的な(!?) (2020年11月26日 13時) (レス) id: 0f6e4a6db1 (このIDを非表示/違反報告)
莉咲(プロフ) - すっごく面白いです!この作品を見つけたのは随分前なんですけど、それから何度読み返したか分かりません…!!こんな神作品をありがとうございました!! (2020年11月26日 12時) (レス) id: 0f6e4a6db1 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 了解です (2020年5月31日 18時) (レス) id: e826140184 (このIDを非表示/違反報告)
暁月真愛(プロフ) - 舞さん» 舞さん、最後まで読んでいただきありがとうございました!続編は今のところ考えてはおりません。申し訳ありません。でも、何かの形でこの物語を広げていけたらとは思っております! (2020年5月31日 12時) (レス) id: 6e8c5a7bd5 (このIDを非表示/違反報告)
暁月真愛(プロフ) - ゆいさん» 返信遅くなり申し訳ありません。楽しんでいただけたようで何よりです!ひとつお聞きしたいことがあるのですが、ゆいさんの中での主人公はどのような容姿をしていましたか?教えて下さると嬉しいです(*^^*) (2020年5月31日 12時) (レス) id: 6e8c5a7bd5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:暁月真愛 | 作成日時:2020年4月16日 12時

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