addict

最後の推し Side Story ページ22

Aちゃんと付き合ってから
俺の仕事上、デートって言うデートはできてない

「ごめんね」って言うと
「一緒にいれるだけでいいから気にしないで」って

いつも
さっくん忙しいでしょ？
さっくんの迷惑になるから
私は大丈夫だよって
全く我儘も言わない

傍から見れば物分りの良い彼女かもしれないけど
俺の為に我儘言わないって分かってるから
余計に申し訳ないって思ってる



そんなある時、仕事が巻いて
昼前に仕事が終わり明日は昼過ぎからの仕事の日で

広く言えば1日休みの日ができた

それが丁度Aちゃんの休みと被ってる時だった

"巻いたから今から明日の昼まで休みになったよ！"
って連絡すると
"お疲れ様！ゆっくりできるね！良かったぁ"って来てさ
夜から会う予定ではあったけど
予想外の反応で...

"うん、そうだね！ゆっくりできるわ"
"ゆっくり出来る時に休まないとね！"

俺は"じゃあ今から会える！？"って言うのを想像してた

会いたいって思わないのかな


"今すぐ会いたい"

"すぐ行くね！"


30分後

「さっくん！？」


もう来てくれた

「なんかあった！？大丈夫！？」

心配そうに見つめるAちゃんを抱きしめると
「大丈夫だよ」って背中を擦ってくれる

「...全然大丈夫じゃない...」
「なんかあった？」

「話聞くよ？」って続けるAちゃんを
ソファに押し倒した

「さ、さっくん？」
「Aちゃんはさ、俺の事好き？」
「うん、凄く好きだよ？」

即答過ぎ...

「俺が1番？」
「さっくんが1番に決まってる」


焦ってこんな事してる自分が恥ずかしくなり

「ごめん...」ってAちゃんを座らせた


「なんかあった？
私に話せる事なら聞くよ？」

かっこ悪すぎるわ、俺...


「来てくれてありがとう」
「うん」
「俺、Aちゃんの我儘聞きたい」
「え？」
「俺のこと優先してくれて我儘言わないじゃん
"あれしたい"とか"これしたい"とかさ
俺はAちゃんの我儘に応えたいの」

2→←あとがき

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す