35話 ページ35
ー次の日ー
「来週お誕生日ですか。随分急ですね。」
次の日、お昼ご飯を食べながら、俺は昨日の出来事を川久保さんに相談していた。
「多分言うつもりなかったんでしょうね。」
「いや、お祝いして欲しかったんだと思いますよ。」
え？
「だって、21日にご家族の方に会っても良かったのに、わざわざ21日を空けて20日に約束してたんですよね？お祝いして欲しかったのか、それとも一緒にいたかったのか。どちらにしても可愛いじゃないですか。」
そっか。、そういうことだったのか。
確かに、可愛い。
「あ、そうだ。KASEの研究所見学動画という新しい企画がありまして。」
研究所見学動画？
「次のアイスショーがひと段落したら、撮影に入るかなと思います。こちら企画書です。」
評判良かったからか。
第二弾、第三弾も決まってる。
「アイスショーにもいつもご協力いただいてますし、大事な繋がりですね。あと、懇親会があるそうです。浅川さんと社長さんがいらっしゃるそうですよ。」
うわ、また浅川さん。
「そんな嫌そうな顔しないでくださいよ。、まあ、気持ちはわかりますけど。」
だって。、
Aのこと、なんだかんだまだ諦めてなさそうだし。
まあ、入り込む余地なんてないけど。
「お誕生日、どうするんですか？」
あれから一晩考えた。付き合って初めの誕生日だからこそ、ちょっと特別なレストランで食事をしてプレゼントをあげるっていうベタで思い出に残るお祝いをしたい。
「レストランは昨日の夜予約しました。」
「良いですね。プレゼントは何あげるんですか？」
そう。それを迷ってる。
何が良いのか、難しいな。
「何が良いと思います？」
「プレゼントは、一つ一つあげるものに意味があるそうですよ。調べてみるのもいいかもしれませんね。、ちなみに、私は付き合って最初の誕生日にお菓子をあげて、今の妻にめちゃめちゃ怒られました。、」
え、なんで？
「形に残らないじゃない！って言われましたよ。」
たしかに。なるほどね。やっぱり形に残るものはマストだな。
え、何あげよう。この前バングルあげたから、、
ちょっと調べてみよう。
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作者名：かれん | 作成日時：2022年9月8日 16時
