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4*:少年の雑談 ページ5

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そのあと、なんて言い訳したのかは
覚えてないがオレは教室を出て廊下を歩いていた。

後ろから明星が追いかけてくる気配はない。



やれやれ、だ。


寝ていたはずなのになぜか疲れてる。




「うーす」

「先生」




白衣を着た陣先生と階段ですれ違う。

相変わらず髪の毛はボサボサ。



「お前また寝てたのか」

「またって、いいじゃないっすか。
昼休みでしょ今」

「授業4連続で寝てたらしいじゃん」

「…あー確かに記憶無いかな」



本来ダメな行為の筈なのに、先生はケラケラと笑う。

手元にあった資料を少しチラ見して怪しげに小声で喋りだす。



「お前次の授業も寝るつもり?」

「はい」

「はいって…」

「なんでですか?」





すると、陣先生はさっきよりも悪人面で笑った。


こういう顔をするとき人は悪いことを考えてる。





「プールなんだなぁ!水中で寝れねぇだろ?」

「あ、サボるんで大丈夫っす」

「ハァ?!お前高校生だろ?!はしゃがねぇのかよ!」

「いやだってほら…色々?」





この人は先生、と言うこともあり私の事情を知っている。

陣先生は何秒か考えて、納得したようにため息をついた。



「確かにあぶねぇよな」

「だから、保健室でサボらしてくださいよ」

「やだよ誰が」

「今度お酒持ってきますから」

「何時間でも保健室使っていいぞ」





大人としてのプライドはあるのだろうか。

思わずうわ…と半目で先生を見つめる。



けれど保健室が空いたのはラッキーだ。

あそこはベッドがあるし。


それに今は夏で暑くてウィッグがとてもとても鬱陶しいから
ひさしぶりに奥木Aに戻ろうかな。







「あ、その代わりこの資料の並べ替え
お前がやれよ」

「はぁぁ〜?」

「タダで入れるわけないだろ」

「お酒…」

「それは後払いのほうな」

「…ちっ」

「教師に対しての態度おかしくねぇか」








乱暴に先生から資料を奪い、保健室に向かう。






お酒はノンアルコールにしようと歩きながら決めた。









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5*:少女の夢の中→←3*:少年の寝起き



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作者名:里小翔 | 作成日時:2016年8月29日 22時

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