3*:少年の寝起き ページ4
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そのあと俺は一人でフラフラと
校内を練り歩いた。
時々、部屋の中からレッスンの音漏れが聞こえてくる。
この時間はユニットごとにレッスンを
しているらしい。
「まぁ、オレは関係ないけどな」
どこか眠れそうな部屋はないかと歩いていくと、
音楽室に到着した。
ここは南側に窓があるから日差しが気持ちいい筈。
「うーし！決めた！オレはここで寝る！」
そう叫んで窓辺の日向の所にごろりと寝転がる。
柔らかい日差しは頬を撫でるように温かくとても居心地いい。
気づけばオレはぐっすり寝てしまっていた。
はっと目を開けると視界いっぱいに
オレンジのアホ毛が映りこむ。
ソイツは青い目でじっとオレの顔を覗いていた。
「うぁぁぁっ？！」
「あ、起きた」
「あけ、明星…！何してんだよ！」
「いやぁレッスンしようと思ったら人が
倒れてたからさ〜」
「だからって無言で人の寝顔見てたのか？！アホかよ！！」
「む、アホってなんだよー！
ホッケーもアホって言ってくるんだからなー」
「ワケわからん…」
アホ毛を揺らしながら頬を膨らます明星。
正直コイツは凄く苦手だ。
和馬にいちゃんはきっとノリが合うんだろうけど
奥木Aとはとても相性が悪い。
アホな所が和馬にいちゃんにそっくりだからかもしれないが。
「和馬の寝顔って綺麗だねー！」
「人の寝顔の感想言ってくんなよ…」
「えーだって寝てる方が悪いじゃん？」
「そりゃそーだけど…」
「あははっ和馬と話してると楽しいなぁ〜♪」
「…そーですかい」
真っ正面からキラキラの笑顔が照りつけてきて
目が痛い。
寝起きの頭が少しズキズキする。
寝違えただろうか。
「そいじゃ、レッスンの邪魔して悪かったな」
「行っちゃうの？」
「オレがここにいても意味ねぇだろ」
「一緒にレッスンしよーよ！」
「やだね」
「和馬のケチ〜！！」
ガキみたいに明星はジタバタと暴れる。
こんな奴が頭いいなんて…まったく、
この国の将来が怖い。
「そういえばさぁ」
「ん？」
「どうして和馬はユニットに入らないの？」
明星の純粋な目に、オレの姿が映る。
奥木和馬の姿をしたソイツは少しだけ
焦った顔をしていた。
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作者名：里小翔 | 作成日時：2016年8月29日 22時
