[あんスタ]僕と君とであんさんぶる。[短編集]

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『私ね、好きな人がいるの。

すごく好きで、名前呼ぶのも恥ずかしいくらい。

でも気持ちをなかなか伝えられなくて…。


勇気がでないの。どうしたらいいかな』





氷鷹君はずっと黙って聞いてくれていた。

話終えれば少し眉を寄せて困った
顔をしてる。



「…すまん、恋愛の話とは思わなかった。
俺なんかじゃあまり参考にならないから
衣更とかに聞くのはどうだろうか」



ものすごく申し訳なさそうに項垂れる氷鷹君。

ほら、そうやってなんでも真面目に聞くでしょ。


いいんだよ、私の話なんか。



どうしてそんなに優しいの。




『うぅん、聞いてくれてありがとう。
頑張ってみるね』



…本当はね、気まずい顔してくれないかなって
期待してたんだよね。


気まずそうにして、それこそ少女漫画みたいに
「俺にしろよ」とか…



でも優しい氷鷹君が言うわけないって思ってたから

ショックではないけどね。





項垂れていた氷鷹君は「だが、」と顔を上げた。




「お前は優しいやつだ。




人想いだ。




きっとソイツに気持ちは伝わる。

自信を持て」




まさかの褒め言葉にポカンと口をだらしなく開けてしまった。


なにこれ。嬉しすぎる。



真面目で優しい彼だからこそ、

こんなに優しい言葉を言えるんだね。






『…うん。ありがとう。


氷鷹君が言ってくれるなら、自信になる』









いつか君に伝えよう。







真面目で、優しい、あなたなら、



きっと優しく笑ってくれるから。





私の言葉に、氷鷹君もふっと温かい

笑みを浮かべてくれた。









(俺だって…お前の名前を呼ぶのが
難しいんだ…


…A)









《内気系女子×奥手系男子》

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