[あんスタ]僕と君とであんさんぶる。[短編集]

＃2 ページ36

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最悪だ…。


蓮巳先輩も考えることが酷すぎる。

私、本当にあの人に嫌われてるんじゃないかな。





『ぬおぉーー！なんで！私が！
あんたと！プール掃除なんかしなきゃ
いけないのおおおおぉ！！！』

「それは我も言いたい…はぁ…だめだ暑い…」




ジーワジーワと遠くから聞こえる蝉の声と、
熱気溢れるプールサイド。

デッキブラシ？を持って私と颯馬は早くも
シャワー室の影にてダウン中。


あぁきっとサボってるのバレたら
蓮巳先輩に怒れるんだろうな…



『こうなったらとことんサボるよ！』

「は？！何をっ？！」

『ほい！シャワー地獄！！』



きゅっと手元の蛇口を捻れば
颯馬の頭上から多分冷水が一気に溢れ出す。



ぎゃぁ！と颯馬は叫びヨタヨタ走り回った。




「おのれ…！…そういえば、先ほどの
決着もまだであったな！」

『そーよ！こっちはシャワー、あんたは？』

「この『ほーす』で勝負！」

『やるわね！なら、私は……、っ！！』




颯馬の体を見た瞬間、思わず体がポッ！と
熱くなるのと同時にカチーンと体が
硬直してしまった。


さっき私がシャワーをぶっかけたせいで
颯馬のシャツが塗れて、肌にぴっとりくっついてる
せいか颯馬の腹筋がくっきりと見えてしまっている。



けれど本人は気づいてないようで。

ジリジリと間隔を狭めて来た。





『ちょ、タンマ！ばか颯馬！』

「ふふふ…『たんま』はなしである！」

『ばっかそうじゃなくて…う、きゃぁっ！』




急いで逃げようと一歩後ろに下がった瞬間、
ずるりと足を滑らせてしまい、
ドッボーン！とプールのなかに入ってしまった。

つんと鼻に水が入って痛い。





「だ、大丈夫であるか？！」

『ぶはぁっ！颯馬アンタねぇ！』



けど颯馬の様子が可笑しい。

顔がほんのり赤いし。


なんだろ…







「A殿、下着が透けておられ…」

『〜〜〜〜っ最ｯｯ悪！！！』





おもいっきり水をぶっかければ「申し訳ない！」とシャワー室に走り去ってく颯馬。


これからどうしようと思ったそのとき、
颯馬の独り言が聞こえてしまった。






「…そうか。A殿は『女の子』であった」





その言葉を聞いて多分顔が赤くなったのは


絶対アイツには言わないんだから。





《拳銃系女子×日本刀系男子》









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