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#2 ページ34

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初めは凄く緊張したけど、
妹ちゃんにも迎えてもらって、
3人で映画見たり一緒にお菓子作ったり
相変わらず女子力っ!って思ったりしたけど…


『楽しかった〜!
お邪魔しました!』


「おう、送ってくぞ」


『大丈夫大丈夫。それじゃ、…』



そう言って玄関を出ようとしたが
何か小さい力に引っ張られる。



『…ぉ?』

「おねーちゃん、帰らないで!」

「ばっ…おま、…悪いA。
気にすんな」

『え?…うんと…』




ばっと手を離された妹ちゃんは
うりゅりゅ、と目に涙をためて、
「あ…やべ」と紅朗先輩の言葉を合図に
恐竜のように泣き出した。


『…紅朗先輩、私もうちょっといていいですか?』

「いや…いいんだけどよ。むしろ頼むっていうか…
家の人が心配するだろ?」

『んーん。大丈夫』



私は靴を脱いで妹ちゃんと一緒に
リビングに戻った。


妹ちゃんはぎゅっと私の手を握ったまま。




『あっはは…』

「おい…」

「…Aちゃんはお兄ちゃんの彼女でしょ?」

『えっ?う、うん』

「おい!」





「じゃぁちゅーしないの?」





何を仰ってますか妹ちゃんんんんん!!


恐る恐る先輩の顔を顔を見れば、

口をポカンとだらしなく開けてて。



『い、いつか!いつかするの!』

「いつかぁー?ほんとに付き合ってるのぉ?」



『…か、カエリマス…』

「ええぇー」

「おう。帰った方がいい。送る」

『え、だいじょ…』

「送る」



ドタバタと私達は家を飛び出す。

街はどっぷり夜に浸かってた。





「A」

『はい…、っ?!』


夜空を見上げてた私を呼んだ先輩。

振り返れば顔が目の前に。




唇にあたる柔らかいものが
先輩のものだと分かればもう倒れそうで。



…でも嬉しくて。



先輩よりも女子力低くて、

彼女っぽいこと出来なくて、

させてもらえなくて。


そんなだったからかな、自信が全然なかった。


ちゃんと彼女として見られてたのか。


さっき妹ちゃんに「ちゃんと付き合ってるの?」と
聞かれて酷く悲しかったのも覚えてる。




「…っは、…A…」


『…せんぱ…い…』





そっと離れる私と先輩。

夜にちゅぅとか、ロマンチック。



先輩に全然似合ってない。





「〜〜っ、帰るぞ」

『はいっ!』




どさくさに紛れて繋がられる手。

先輩も緊張してたんですね。



ぎこちない恋人繋ぎをして、
私達は夜の道を並んで帰った。





《わたわた系女子×女子力系男子》




#神崎颯馬→←#鬼龍紅朗



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里小翔(プロフ) - 飛龍さん» あ、私も弓弦大好き星人です笑笑 (2016年8月25日 18時) (レス) id: d058fb1934 (このIDを非表示/違反報告)
里小翔(プロフ) - 紫苑さん» コメントありがとうございます!颯馬くんは口調を何度も迷いながら描いた作品なので不安だったのですがこのようなコメントを貰ったのでホッとしております(笑)ありがとうございました! (2016年8月25日 18時) (レス) id: d058fb1934 (このIDを非表示/違反報告)
里小翔(プロフ) - 飛龍さん» こちらこそこんなに心温まるコメントしてもらってありがとうございます!!嬉しいです!励みにして頑張りたいと思います! (2016年8月25日 18時) (レス) id: d058fb1934 (このIDを非表示/違反報告)
紫苑(プロフ) - 颯馬くんのお話、#1の方では、笑が止まりませんでした……。あの、「ちょんまげと○ザエさんヘアー」のところとか……。でも、#2の最後らへんは、ちょっとキュンってきたりして、すっごくよかったですっ! (2016年8月25日 12時) (レス) id: e5fe38492a (このIDを非表示/違反報告)
飛龍(プロフ) - 弓弦の話にウルッと来ました…。いい子すぎて泣けてきますよホント。素晴らしい作品をありがとうございます!弓弦大スキ星人にとって最高の話でした!これからも頑張って下さいな。 (2016年6月20日 14時) (レス) id: 70d6320d2c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:里小翔 | 作成日時:2016年3月13日 23時

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