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【アネモネ】信じて待つ ページ9

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初めて波名さんと話してから

三日がたち、今日は日曜日。


俺はいつものように暇を持て余していた。


いや、レッスンとかあるけど生憎

サボる主義でして。


ていうか全員集まらない練習行ったって意味ないでしょ。


紅茶部とかも結構マイペースだし。


まぁ、スケジュールばんばん入ってくるより

暇な方がいいんだけどね。



そんな訳で俺はブラブラ散歩中。


少し曇ってて太陽が隠れてるからなんとなく

外も心地いい。



眠いときに寝れないのが一番不便。

どっか寝たいな.…


凜月「.…ぁ」



そうだ、あそこだ。

あの人なら寝かせてくれそう。



少し気分も上がり、足も軽くなる。

きっと眠れる期待があるから。


あの人に会えるから、なんて理由はないはず。






_______



「なにやってるのばかーーーっ!」




突然響いた怒声。


商店会から店員が驚いたように顔を出してる。


その方向は.…




あ「花折っちゃだめでしょっ!」


小学生相手にガチ切れする波名さん。


と、いっても怒ったって全然怖くないから

小学生のガキになめられてる模様。



「いいだろ一本くらい!」

あ「だーめ!これお客様に渡すもの!
ってこーらー!タンポポをむしるな!」

「店のじゃねぇーじゃん!」

あ「店も道端も関係なーい!!
全ての花には偉大なる命がっ…」



凜月「……」




とうとう理性を壊し始めたらしい波名さんだったが

ぼんやり遠くから眺めていた俺に気がつくと

ぼっ!と音が鳴りそうな勢いで赤面する。



「あ、眠そうなにーちゃん!
なぁ花とかいくらでも咲くから折ってもいいよなぁ?」

あ「ダメだってば!」

「ねーちゃんに聞いてねぇよ!ケチ臭い!」

凜月「.…ふぁ、ふ.…ケチ臭い、ねぇ」

「なぁにーちゃんもそう思うだろ!」



.…うるさい。

小さい小学生は鼻水垂らしてさっきむしったタンポポを

握りしめてる。



凜月「.…アンタそれどうするの?」

「え?」

凜月「別に目的があるならいいと思うけどさ。
無駄にブチブチ抜いたって結局そこら辺に
捨てるなら意味ないよね?」

「う、うぅぅ.…」

凜月「とりあえず責任もって.…あ」



思い通りの回答が来なかったのか、

小学生は俺にタンポポを投げ捨てて走り去る。



それから息を荒くした波名さんがゆっくりと

近寄ってきて見上げるように俺に迫った。




あ「目的あってもむしっちゃ駄目」


凜月「.…すいません」

・・・→←・・・



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里小翔(プロフ) - ちほさん» ありがとうございます!いえいえ、教えて頂いてとても助かりました!一応直してみたんですがどうですかね…?確認お願いします(>_<)嬉しい感想もありがとうございました!!! (2015年10月3日 19時) (レス) id: 78e56a3429 (このIDを非表示/違反報告)
ちほ - とても感動したし面白かったのですが、凛月の読み方?がりつじゃなくりつきになっていたのとKnightsがKingsになっていたのが気になりました…私なんかがすみません!でも素敵な作品でした!!( ; _ ; ) (2015年10月3日 16時) (レス) id: e2c5171782 (このIDを非表示/違反報告)
里小翔(プロフ) - 神崎コノハさん» おおおぉーーー!!かなり見えてますね!!恋の花束ってとてもロマンチックですね!ありがとうございました!! (2015年9月27日 21時) (レス) id: 78e56a3429 (このIDを非表示/違反報告)
神崎コノハ(プロフ) - ちなみに私は恋の花言葉を詰めた花束をプレゼントするはなさんまで見えましたね(キリッ)凄い良いお話でした!お疲れ様でした! (2015年9月26日 20時) (レス) id: 0f2f2435c8 (このIDを非表示/違反報告)
里小翔(プロフ) - ユナインさん» 本当ですか?!ありがとうございます!!書いて良かったです(о´∀`о) (2015年9月18日 23時) (レス) id: 78e56a3429 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:里小翔 | 作成日時:2015年8月18日 21時

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