・・・ ページ19
.
おかしい。
うん。明らかに変わった。
私は外に店の前に置いてある花に水を
あげながらいつも凜月君が来る道を
ちらちらと伺ってみる。
しかし、彼の姿は見えぬまま。
あ「.…今日も来ないのかな」
そう。あの雨の日、朔間兄弟が店に訪れた日以来、
凜月君が店に来なくなった。
理由なんて分からないけど初めは
忙しくなったのかなーなんて考えてた。
でも姿さえ見えないなんて.…
学校でも休んでるのだろうか。
そして。
零「お嬢ちゃん、おはよう」
あ「あ、零君。おはよー！」
凜月君の代わりにでもなるかのように
零君が店に来ることが多くなった。
零君は私に挨拶するといつも満足気に学校へ向かう。
だけどもう心配だから聞いてしまった。
あ「あの.…凜月君、病気だったりする？」
零「.…？いや、昨日も一昨日も元気じゃが.…？」
なんのことだかさっぱり、と言った顔で
首を傾げてるあたり、本当なんだろう。
ならよかった。
.…なのに、モヤモヤってする。
満足しきれてない私がいる。
なんだろう.…
あ「なら良かった！いってらっしゃい！」
零「ふふ、ありがとう」
そう微笑むと、零君はのんびり歩いていく。
その背中を見送りようやくモヤモヤの
原因がわかった。
あ「.…私、凜月君に嫌われちゃったのかな」
いざ口にして見るとただただ不安。
なにかしたのかな.…なんて最後に見た凜月君を思い出す。
あの雨の日、私は零君が風呂から上がるのを
凜月君と待っていた。
そして凜月君が寝たのを確認したら
安心して私まで寝てしまい、起きたときには
もう7時を過ぎていてしかも凜月君の肩まで
借りちゃって本当に凜月君には
迷惑をかけてしまった。
それでも凜月君は笑って「気にしないで」と
言ってくれた。
……そう、笑ってたんだ。
普通に。
私のイメージでは凜月君はあまり
感情を表に出すない子だと思ってたけど.…
あ「でもあの笑ってる顔、本当に笑ってたっけ.…？」
あんなに苦しそうな笑顔、はじめてで。
でも聞いてはいけない気がして聞かなかった。
.…聞いた方が良かったのかな。
どんどんあの時のせい？この時のせい？
なんて原因を確かめていけばいくほど小さな後悔が募る。
こんなに誰かに会いたくなるの初めてかもしれない。
.…そして、凜月君に会えないまま１ヶ月が経ったある日。
店に1通の電話がかかってきた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 43人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「あんスタ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
里小翔(プロフ) - ちほさん» ありがとうございます！いえいえ、教えて頂いてとても助かりました！一応直してみたんですがどうですかね…？確認お願いします(>_<)嬉しい感想もありがとうございました！！！ (2015年10月3日 19時) (
レス) id: 78e56a3429 (このIDを非表示/違反報告)
ちほ - とても感動したし面白かったのですが、凛月の読み方？がりつじゃなくりつきになっていたのとKnightsがKingsになっていたのが気になりました…私なんかがすみません！でも素敵な作品でした！！( ; _ ; ) (2015年10月3日 16時) (レス) id: e2c5171782 (このIDを非表示/違反報告)
里小翔(プロフ) - 神崎コノハさん» おおおぉーーー！！かなり見えてますね！！恋の花束ってとてもロマンチックですね！ありがとうございました！！ (2015年9月27日 21時) (レス) id: 78e56a3429 (このIDを非表示/違反報告)
神崎コノハ(プロフ) - ちなみに私は恋の花言葉を詰めた花束をプレゼントするはなさんまで見えましたね(キリッ)凄い良いお話でした！お疲れ様でした！ (2015年9月26日 20時) (レス) id: 0f2f2435c8 (このIDを非表示/違反報告)
里小翔(プロフ) - ユナインさん» 本当ですか？！ありがとうございます！！書いて良かったです(о´∀`о) (2015年9月18日 23時) (レス) id: 78e56a3429 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：里小翔 | 作成日時：2015年8月18日 21時
