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「え?」






「1年の壁って、こんなに大きいものなのかな」






私の言葉で自分には無い威厳を認識して

自嘲したであろう彼は

1年経ってもそこに辿り着けるものなのかと

不安そうな顔を見せた。






鳳くんを馬鹿にしたつもりは無かった。






でも、鳳くんからしたらそう捉えてしまっても

おかしくは無い発言だった。






自分の浅はかな答えのせいで

そんな顔をさせてしまったのだと思うと

酷く心が痛んで口を開こうとすれば

鳳くんはまた嘲りながら先に口を開いた。






「やっぱり、好きなんじゃない? 跡部さんのこと」






「……それは、無い。本当に無い。

そういう事じゃない」






「散々感動しただなんだ言っといてなんで言いきれるの?

認めたくないだけでしょ、多分」






「違う」






「だから、なんでそんなこと、」






「鳳くんだからだよ」






「え……?」






「私が好きなのは、跡部先輩じゃない。鳳くんだよ」






勘違いをされることに募った苛立ちに任せて放った言葉が、

しん、とした空間にいやに浮き出てしまった。






こんなところで、言うつもりは無かったのに。






雰囲気に呑まれてではなく、

まさか苛立ちに任せて告白してしまうとは。






ダメだ、もう。






私の恋はここで散る。






そう思いながら、どうにか軌道修正を目指して

彼の顔から視線を外して声を絞り出した。






「……あ、え、っと……ごめん、忘れて、ください」






「……嬉しい」






「え?」

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設定タグ:テニスの王子様 , 氷帝学園 , 跡部景吾   
作品ジャンル:アニメ
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(プロフ) - 財堂若也さん» 応援コメントありがとうございます! 一応ラストスパートかけているつもりですが文章力と発想力が乏しくオチを見失いかけておりますw あと2シーズンくらいは要するかもしれません…すみません…気長に見ていただけると幸いです… (2020年12月31日 20時) (レス) id: 8b3ebb8f88 (このIDを非表示/違反報告)
財堂若也 - ラストスパートかかってきた感じですか?更新頑張ってください! (2020年12月31日 19時) (レス) id: 7fa4fbfbfc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:2ytluvuusham081 | 作成日時:2020年12月29日 12時

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