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旅は道連れ、情けは皆無 ページ23

「あんた、やっぱり跡部君と付き合ってるの?」






制服のネクタイを結んでいた最中、

いつの間にか私の部屋の扉に寄りかかっていた母親が言った。






唐突なその質問の意味が分からず、

結ぶ手を止めて母親に視線を送る。






「……え? なんで……?」






「いやだって、最近毎週のように跡部君と出かけてるじゃない」






「……付き合ってないよ。

跡部先輩は私なんか見向きもしないって言ってたでしょ……

ってこれ何回言わせんのもう。惨めになるんだけど」






「そう。なら、跡部君に聞いてくるわ」






「……は?」






姿勢を正して、スタスタと遠ざかる足音に呆然とした。






跡部君聞いてくるわ……って……






待て待て待て待て。






言葉の意味を理解して、

思わずネクタイをキュッと強く結んでしまった。






玄関に向かおうとしていた母親のエプロンを引っ掴んで

その動きを止めさせる。






「ちょ、ちょ! 何を聞きに行こうとしてるの!!」






「いや、いつも迎えに来てくれてるから、

うちの娘に脅しでもかけられてんのって」






「馬鹿言え!! そんな訳ないでしょ!!

それ言ったら脅しかけられてんのは私だっての!!」






「ええ? 何それどういうこと?」






「あ、いや。今のは忘れて。なんでもない」






「じゃあいいや。跡部君に聞くわやっぱり」






「だから!! やめてってば!!

お母さんは引っ込んでてお願いだから!!」






「なんだ、朝から騒がしいな。

何を騒いでるんだそんなに」






「げ!!」






「……げって。父親の顔見て、げとは我が娘ながら失礼な」






私の抵抗をへとも思わず階段を降りていった

母親の後ろから出てきたのは父で。






無自覚にも飛び出してしまった「げ!!」を聞いて

父が顔を顰めた。






「あら、お父さん。どこか行くの?」






「あぁ、いや。別に予定はないんだけど。

そうだA。暇ならどっか連れてってやろうか」






「あ、いや、えっと私は、」






「ダメよお父さん。

Aはこれからデートなんだから」






「ちょ、ばっ! デートじゃないってば!!

制服なのにデートなわけないでしょうよ!!」






「……は……? デート……?」

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設定タグ:テニスの王子様 , 氷帝学園 , 跡部景吾   
作品ジャンル:アニメ
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(プロフ) - 財堂若也さん» 応援コメントありがとうございます! 一応ラストスパートかけているつもりですが文章力と発想力が乏しくオチを見失いかけておりますw あと2シーズンくらいは要するかもしれません…すみません…気長に見ていただけると幸いです… (2020年12月31日 20時) (レス) id: 8b3ebb8f88 (このIDを非表示/違反報告)
財堂若也 - ラストスパートかかってきた感じですか?更新頑張ってください! (2020年12月31日 19時) (レス) id: 7fa4fbfbfc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:2ytluvuusham081 | 作成日時:2020年12月29日 12時

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