乗っ取り？絶対来るとこ間違えただろ。【刀剣乱舞】 (ページ4)

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乗っ取り３ページ4

見習いが来るまであと一週間。

刀達はその報告を受けて、げんなりと顔を暗くさせた。

「俺狙いだって？冗談じゃない！ただでさえ人間と関わるのは嫌だってのに！」

「しかも、主殿と恋仲ということを知ったうえで、ですか」

「タチの悪い見習いやなぁ」

「俺としては、本丸にすら踏み入られたくないんだが」

三日月の言葉に、その場の全員が力強く頷いた。

ヤンデレの刀剣はもちろん、ヤンデレでない刀もあまり他の人間をよく思ってはいない。

しかも乗っ取り目的と聞いては特に、だ。

「どうしよう、兼さん･･･僕としては、その見習いを暗殺したいんだけど」

「いやダメに決まってんだろうが。見習いは、主に危害を加えた瞬間に俺が殺すんだよ！」

「見習いは俺達レア刀剣を侍らせたいらしいぞ。大包平も狙われる可能性があるから気をつけろ」

「何を言っているんだ、鶯丸！擦り寄られた時点でその首を刎ねる！！」

ヤンデレではない刀達の中でも、主に好意を持っている二振りは物騒だ。

鶴丸は安堵と嫉妬でぐちゃぐちゃになった頭を整理しながら話し出した。

「きみらが見習いに寝返らないようで安心したぜ。もしそうなら、･････」

それ以上は言わない。

斬り捨てる、と言いたいものの、それを言ったことが主にバレたら悲しそうな顔をされるからだ。

惚れた弱みというものなのか。鶴丸は鞘から手を離した。

「鶴丸、あんた俺達のこと見くびり過ぎじゃない？ねぇ、安定」

「清光の言う通りだよ。僕達は主のことを愛し続けて来たんだ。鶴丸、あんたと付き合ってからもね」

「･････」

「今更新しい女が擦り寄って来たところで一ミリも揺らがない。そもそも、主に危害を加えようとしてる女なんかに惚れるわけないでしょ？」

「何があってもか？＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿なんて、愚問か」

全員、同じような目をしている。

主を慕い、何があっても守ろうという強い意志を含めた目。

例え呪具を使われたとしても、術をかけられたとしても

彼らなら、自身を折ってでも主のモノであろうとするだろう。

鶴丸も同じ気持ちだからか、彼らの言いたいことは大体分かるのだ。

そして鶴丸は、心の底から見習いを憐れんだ。

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乗っ取る本丸を間違えたな、と。

小さく鶴は嘲笑う。