乗っ取り？絶対来るとこ間違えただろ。【刀剣乱舞】 (ページ23)

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乗っ取り２２ページ23

明石ＳＩＤＥ

はぁ、と無意識にため息が零れ出る。

けど主はんはなーんも反応せぇへん。黙々と作業してはる。

自分、そんなに存在感ないですか？
なんて思わず愚痴ってまいそうなくらい静かな部屋。

主はんは今何を考えてるんやろ。

あの鬱陶しい見習いのこと？傷つけられた短刀達のこと？

それとも＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

「鶴丸はんのこと、そんなに心配ですか」

そう言うと、あからさまに肩を震わせる主はん。

････へぇ、そうですか。

「蛍達や短刀よりも･･･鶴丸はんを一番気にしはるんですか」

『そんなわけないだろ！あ、いや、鶴丸や蛍丸達が心配じゃないと言っているわけではないんだが･･･』

「分かってます。･･･気にせんといてください」

しょーもない男の、醜い嫉妬なんで。

････あーあ、そんなこと考えたないんやけどな。

どうも、主はんのことになるとまともな思考が出来ませんわ。

それもこれも･･･主はんが自分なんかを大事にするからや。

普段は「すとーかー」だの「気味が悪い」だの文句言うくせに、
中傷で帰ってきたときはすごい心配そうな顔しはる。

それがどれだけ自分にとって幸せなことか･･･主はんは分かってるん？

「そんなんやから鶴丸はんも取られるんや」

『脈絡なさすぎだろ！？っていうか取られてない！！』

「何だかんだ言うて、ここ三日は話してないですやん。同じ見習い側でも、自分や鶯丸はんは結構な頻度で会いに来てんのに」

『･････あいつは私に忠実だから』

ぽつりと寂しそうに呟く。

『私の言うことは、ちゃんとした理由がある限りちゃんとやりきってくれる。バグを解決しようとした時もそうだった』

「･････それが寂しいって？主はんって意外とわがままですなぁ」

『しっ、仕方ないだろ！いつも引っ付いてくる奴がこうも一切接触してこないと･･･』

「なら、鶴丸はんなんか止めて自分にしたらええですやん」

主はんは一瞬固まってたけど、すぐに呆れたように笑った。

『お前達も懲りないよなぁ･･･』

「鶴丸はんに比べたら可愛いもんですわ」

『はは、まぁそうか』

.

.

.

「明石～！どこぉ～？」

「･････うるさ」

見習いの声が聞こえる。

はぁ。夢みたいな時間はもう終わりっちゅうことか。

二か月もこんなん耐えられるんか？

自分も、鶴丸はんも。