乗っ取り？絶対来るとこ間違えただろ。【刀剣乱舞】 (ページ19)

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乗っ取り１８ページ19

頬に痛みが走る。

正直、いつも戦場で傷付いている俺からすりゃ何ともない衝撃だ。

けど人間の体ってのは脆いもので、俺の頬はジンジンと熱を帯びる。

乱はその様子を見て更に見習いを睨みつけた。

しかし見習いのほうも興奮しているのか不浄な気が広がっていく。

咽返るような霊気。血よりもずっと気持ち悪いものだと俺は顔を歪める。

こんなものをずっと近くで受けてた旦那達の苦労が偲ばれるな。

「････人間さん、何の真似かな？薬研の肌に傷をつけてさ」

「うるさい！！私に逆らうからよ！！！」

「黙れ。人間風情が」

ビリビリと体に圧がかかる。

その圧は乱からなんだとすぐに察せた。

ほかの本丸や普段の乱はもっと明るく、人間に対してそんな口の利き方はしたことがなかった。

大将が「ほかの人間にも優しく」と言っていたからというのもあるが。

だが今の乱は太刀や大太刀にも負けないくらい殺気立っている。

「付喪神を従わせる人間がこんな屑だなんて、呆れちゃうよ。ただの、何の力もない人間が勘違いしてイキらないでよね」

「はあ！？」

「あるじさんが政府にグチグチ言われると思って今まで大人しくしてたけど･･･もう我慢しなくてもいいよね？」

「待て乱」

俺は慌てて乱の右手に手を置く。

「本丸内での抜刀はご法度だ。大将との約束だろ」

「でも薬研、こいつ･･･」

「ああもう、いい加減にしなさいよ！！！！あんた達は私に従っていればいいの！私のために動けばいいのよ！！なのに！なのにどうしてあんなブスに従うの！？」

「あ？」

「そうよ、あの女もあの女でムカつくわ･･･！さっきだってわざと足を踏みつけてやったのに何も反応しないで････！！」

「ってめぇ･･･！！」

俺は思わず声を張り上げた。

黙っていようかと思ったが、頭にきちまった。

大将に怒られちまうか。････けどな、大事な大将を馬鹿にされて黙るなんて出来やしないぜ。

俺達は大将の刀なんだからな。

「てめぇは何がしてぇんだ！？俺達だけじゃなく大将にまで手出しやがって、言っとくがてめぇなんぞより大将のほうが顔も性格も良いからな！！」

「うるさいわね、このクソガキ！あんな女に執着して、どうかしてるわ！」

「あるじさんを侮辱するなんて許さない･･･！！斬ってやる･･･！！！」

せめて一発殴ってやろうと一歩踏み込んだ、その時だった。

「！！話し声･･･この声、あるじさんだ････！」