東リベ彼氏 2 【 中編集 】

〃 ページ14

蘭side




『カクチョ〜、腹減った』


休みの日は昼頃起きて、リビングに行くと大体鶴蝶かAがご飯を作ってくれている。

今日はキッチンに鶴蝶が立っていたので、鶴蝶に声を掛けると困った顔をしてご飯を作っていた。


「あぁ、蘭か。それがさ、」


困った顔の鶴蝶曰く、Aと一緒に昼メシを作る予定だったがちっとも部屋から出てこないらしい。
ひとりで作り始めても良いのか否か悩んでるようだった。

さすが鶴蝶、律儀すぎて涙が出そう。


『お嬢の部屋行ったの？』

「いや、行ってないが」

『どこまでウブなのオマエ』

「…、」


『しょうがねェからオレが呼んできてやるよ』



と言って、お嬢の部屋まで来てノックをするも応答がない。

は？死んでる？

Aに限ってこんな時間まで寝てるはずないし、出掛けるにしても誰かしらに言っていくのが約束になってるのに。
やっぱり死んでる？


『A〜？入るぞ〜？』


いくらノックしても応答がないAの部屋を開けると誰もおらず、デスクの上にはさっきまで勉強してました！と言わんばかりの問題集たちがごちゃごちゃしていた。

『え、いねェの？』

どこをどう探したってAの姿はない。

じゃあどこだ？
考えた結果、竜胆かボスのとこしかない


ちょっとイタズラしたい気持ちを抑えてAの部屋を出る
竜胆の部屋はAの隣なのでその足で向かう



『りんど〜』


竜胆の部屋をノックするが竜胆ですら応答がない。
コイツも死んだ？

はァ、とため息をついて部屋のドアを開ける


『りんど〜、お嬢がいないって鶴蝶が困ってるんだけ…



ン"…』



竜胆のベッドでぬいぐるみ抱きしめて寝てるAと、その横で床に座りながらベッドに伏して寝ている竜胆。

は？天使と天使？(ロリコン&ブラコン)

静かに部屋を出て、鶴蝶と三途を呼びに行く



『鶴蝶！良いモン見つけた。こっち来て』

「お嬢じゃなくて良いモンなのか？」

『いいから来いって。三途も！』


腹が減ったのか、三途もタイミングよくリビングに来ていた。



「あ？なんだ良いモンって」

『一眼レフで収めたいくらい良いモノ♡』



しーっ、と部屋の前でいい大人が声を潜めてコソコソしているこの状況。
どう考えても面白い。


静かに部屋のドアノブを引く。



『な〜？天使だろ？オレの弟とオレのお嬢』

「いつからお嬢はテメェのモンになったンだよ」

「気持ちよさそうに寝てるな、起こすのは悪い気がする」

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