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こいつが私の家に転がり込んできて何ヶ月が経ったのか
「なーAー、ここ行きたいねんけどー」
そう言って、私の初任給で買ったソファの上から私にスマホを突きつける奴
「知らんっ！」
そう言って手を叩くと、ちぇっとか言いながら再びソファに沈み込む
私は壁に貼られたカレンダーを見る
こいつ、向井康二が我が家に強引に住み込むようになったのは、確か12月の暮れ
雪の日だった
今が3月だから、もうすでに3ヶ月はここにいる
あの日から、この狭い無機質な1DKに人間味が増したのは、どう考えても康二のせい
冷蔵庫の中にはいつも食材と、ちゃっかりデザートが常備されてる
知らない間に調理器具は増え
足元には康二の服が乱雑に積まれてる
ソファの上は康二の私物がこれでもかと溢れかえっている
「えー、俺車持ってきてないから行けへんやん！」
「電車でも何でも使って行きなよ」
「東京の電車は無理！東京怖い！」
折れない康二と押し問答をしつつ、私は私でバタバタと仕事の準備をする
ソファの手前に置かれたローテーブルの近くに座り、スッピンの顔に薄化粧を施す
鏡越しに康二と目があって
「何？」
て聞いたら、
「女の子って大変やなーって」
ヘラリと笑った康二は、それでも私がメイクする姿を不思議そうな顔で見つめてくる
ふと、メイクをしている完全防備な自分と、スッピンの自分を比べてみて、無防備な姿すら見せられる自分たちの関係性についてぼーっと考えてみた
世間でいうならば、小学生の頃から顔見知りの自分たちはきっと幼馴染
ただ、康二から向けられるその感情も引っくるめて考えるのならば、その言葉で済ませるのはちょっと康二が可哀想
まあ、私の背後で芋ジャージを着て欠伸なんてしてるその姿から、康二との関係性を模索するのもバカらしくはなった
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なむる。(プロフ) - 愛しい愛しい康二の可愛さ、伝わって本当に安心してます笑 自分も書いててこのシーンは筆が乗りました← ありがとうございます！ (2020年9月16日 7時) (
レス) id: 74f22f9e0f (このIDを非表示/違反報告)
雪の王子様 - 居座ってやる！って意地張るくせにそこのワード間違っちゃってるとことかすごい康二らしい(笑)元カレの鳩尾にクリーンヒットはすっきりしました！← 今回も素敵なお話ありがとうございました。 (2020年9月16日 2時) (レス) id: a501c8742d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なむる。 | 作成日時：2020年8月6日 21時
