39話 ユミルside ページ24
レオンの言葉を背中で聞きながら、ミリアのいる場所に向かう。
彼女は・・・ここから300メートル、かな。
急がなくちゃ。
こういうときに、便利な魔法がある。
詠唱する手間がかかるけれど、とても便利だ。
ユ「風に乗り・空を舞え!」
というと、私の体は宙に浮き、後ろから吹いてきた風に乗ってものすごい速度で進んでいく。
ユ「あと100メートルッ!」
本当に、あっという間だな。
ユ「ミリア!止まりなさい。」
ミ「えっ!そんな・・・お父様が負けた・・・?」
ユ「そうよ。今はレオンに任せているけれどね。
ミリア、もう逃げるのはやめなさい。
貴方を縛っていたものは、もうない。」
ミ「私を縛っていたもの・・・。
そんなものない。
私は、私の意思で、あの人たちに認められたいと思って。」
ユ「本当に?本当にそうなの?」
ミ「・・・そうよ!」
ミリアは叫ぶ。
迷いを断ち切るように、叫ぶ。
追い詰められて、破れかぶれの状態になっているようだった。
ユ「そんなに叫ばなくても。
ねえ、もし貴方が自分の意思でアイツらのもとにいたとして、それじゃあ、
どうしてさっき、助けてって言ったの。
本当は、認められたいじゃなくて、認められなければいけないって、
存在を認められなければいけないって、そう思ってたんじゃないの。」
ミ「・・・・・・だったら、だったらなんだって言うの!?
確かにそうよ。自分の記憶を捻じ曲げてしまうほど、私は追い詰められていて、
この中で生きていくために必死だった。
それでも!
魔術のおかげで、私は認められるようになったの!
それを壊して、私の居場所を奪って、そんな人が今更、私に何を言うの!?
あの場所は、私の唯一の居場所だったのよ。
それを奪われて・・・、私はどうしたらいいのよ!」
ユ「だから、居場所を作ればいいじゃない。
作るのが難しかったら、私たちのところに」
ミ「うるさいうるさい!
貴方たちのせいで、私はまた、邪魔者扱いされるの!
貴方たちのせいで!」
ユ「これはもう、何も聞いてくれなさそうね。
ミリア。
そんなに私たちが嫌いなら、殺して見せなさい。
できるでしょう?
この家で努力してきたあなたなら。」
ミ「できるわ!
貴方たちを、居場所を奪ったあなたたちを、私の手で殺してやる!」
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わたあめ☆ - ゆあさん» おっつ〜!ゆあもいいね!その文才!! (2017年7月8日 23時) (レス) id: 8ff80f4586 (このIDを非表示/違反報告)
zero - お疲れ様これからも頑張れ! (2017年7月5日 23時) (レス) id: 0391fa1845 (このIDを非表示/違反報告)
ゆあ - コメントありがとうございます!じゃあ、レオンの妹、ちょっとだけ登場させて、本格的に入れるとしたら、4章あたりになるとは思います。 (2017年6月20日 17時) (レス) id: 9a045e772a (このIDを非表示/違反報告)
こあこあ - ゆあちゃん、リクエスト!レオンの妹作って!! (2017年6月17日 9時) (レス) id: 8ff80f4586 (このIDを非表示/違反報告)
ゆあ - ほんとだ!ありがと〜 (2017年6月6日 16時) (レス) id: 9a045e772a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆあ | 作成日時:2017年5月15日 19時