28話 ユミルside ページ12
ミ「それで、それでも、いいんです。」
ユ「あ・・・、そう、なの。
・・・どうしてかしら?」
ミ「私は、ダークフォート家の出来損ないです。
ダークフォート家に生まれながら、人を殺す度胸なんて、全くない。」
ユ「うん、そうね。
でも、それでもいいんじゃないの?」
ミ「こんな私にも、みんなは優しくしてくれた。
練習をしていたら、みんながアドバイスをしてくれたりとか。
みんなは、私にとって、大事な人でした。」
それはまた、不思議な話ね。
もしかして、普段犯罪をしているから、その分優しくなれるのかしら・・・?
ミ「でも、それは本心ではなかったんです。ある日、私は聞いてしまいました。
お父様とお母様が話しているのを。お父様とお母様は、私をどうするか迷っていました。
私を、売り飛ばしてしまうか。
敵のところにスパイとして潜り込ませるか。
それか、使い切りの兵器とするか。」
そのとき、ミリアは強く奥歯を噛みしめていた。
目には、とてもつらく、悲しく、寂しそうな光をたたえていた。
どこかで見たことのある姿だと思った。
ミ「そのとき、私は決めたんです。
ダークフォート家の人間として、必要としてもらえるようになると。
それで私は、お爺様に相談に行きました。
お爺様は、私に魔術をかけると仰いました。
そして、私はみんなに必要としてもらえるようになりました。
私は、この現状を壊したくはない。」
それは、昔の私に、似ているような気がした。
ミ「もし仕事を失敗したとみんなが知ったら、私は必要とされなくなる。
そんなの嫌だ。
必要としてほしい。
認めてほしい。
私のことを見て。
褒めて。
私を、私を・・・・・・・・、
愛してほしい。」
ユ「そう。
だから貴方は、こんなことを。
じゃあ貴方はもう、みんなに必要とされていない、と。」
ミ「ええ。」
ユ「う〜ん、ちょっと違うんじゃない?」
ミ「・・・え。」
ユ「確かに、ダーク・スカルの人たちに必要とはされないかもしれない。
でも、自分で居場所を作れば、大丈夫なんじゃない。」
ミ「そんなこと、できるわけっ」
ユ「たとえそれが出来なくても、貴方にはもうすでに、必要としてくれる人間が2人もいるわ。」
ミ「えっ!」
ユ「それはね、私たちよ。
私たちは、貴方のことを必要とするわ。
だから、
私たちと一緒に来ない?」
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わたあめ☆ - ゆあさん» おっつ〜!ゆあもいいね!その文才!! (2017年7月8日 23時) (レス) id: 8ff80f4586 (このIDを非表示/違反報告)
zero - お疲れ様これからも頑張れ! (2017年7月5日 23時) (レス) id: 0391fa1845 (このIDを非表示/違反報告)
ゆあ - コメントありがとうございます!じゃあ、レオンの妹、ちょっとだけ登場させて、本格的に入れるとしたら、4章あたりになるとは思います。 (2017年6月20日 17時) (レス) id: 9a045e772a (このIDを非表示/違反報告)
こあこあ - ゆあちゃん、リクエスト!レオンの妹作って!! (2017年6月17日 9時) (レス) id: 8ff80f4586 (このIDを非表示/違反報告)
ゆあ - ほんとだ!ありがと〜 (2017年6月6日 16時) (レス) id: 9a045e772a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆあ | 作成日時:2017年5月15日 19時