元姉さん 2 (ページ23)

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sister_68 ページ23

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｢っはぁ､はぁ...は､ｯ｣

言葉通り質より量､まさにそうだった｡

戦争時の党員に比べると何倍も弱い｡だが人数は当時の何倍だろうか｡斬っても斬ってもわらわらと湧いてくる｡

(これじゃ埒が明かない...)

倉庫は案外戦場にするにはやりやすい場であった｡コンテナの裏に隠れてしまえば向こう側からは見えない

桂さんから貰った手榴弾のピンを外し､浪士が固まった所へ放り投げる

ダァン！！と大きな爆発音､熱風と共に多数の呻き声

コンテナから走り出て動揺している生き残りの人間を斬り倒していく

それでも浪士の数はあまり変わったように見えなかった

浪｢沖田A覚悟ォォォ！！！｣

そんな声が後ろから聞こえ振り返ると飛び掛ってきている10人程の男達

1人目の腹を斬り､横から刀を下ろす2人目をしゃがんで避け足を斬り転ばせる｡3人目は後ろからやってきたから､前から来た4人目を踏み台にして回し蹴り｡

そんな感じでその場を何とか凌ぎ血を拭う

遠くから様子を伺っていた浪士の声が聞こえてきた

｢おい､あんなに強いって聞いてねーぞ！？｣

｢攘夷戦争を生き延びた人間なんだから当たり前だろ！｣

｢だが所詮女だ､すぐにバテるさ｣

｢...ふーん？それじゃ試してみようか｡お前らと私､どっちが体力あるのか｡まぁ､体力切れの前に死ぬけどなァ｣

女だから弱い､女だから何も出来ない､そんな考えは古すぎる｡10年前活躍してた先輩紅月姫に言うことじゃないな～～～

｢こちとらテメーらが呑気に生きてる時には人殺しって呼ばれてんだよ｡お前らが経験した戦いの数も手にかけた人間の数も桁が違うんだよ｣

今はただ､かぶき町や銀さん達､私を受け入れてくれた､少しの間だけでも幸せをくれた人達を危険に晒そうとする目の前の敵を斬るだけ､それだけ｡

命懸けてで守ってきた総悟達を潰そうとする？私が今までやってきた事を全部水の泡にする？

｢お前らに簡単にやられる程楽な人生送ってねーんだよ！！！！！！｣

＿＿

斬って､斬って､切って｡

敵の人数が疎らになって来た頃には､私の体も悲鳴をあげていた｡肩は切られ腹も切られ､足からも血が流れている

｢ふーｯ､は､っ｣

よろめく体をなんとか起こし倉庫の奥､暗闇を睨むとやはり現れた｡私が1番憎む男､殺したい､男｡

小｢おや､まだ私が残っていると言うのに随分と辛そうですねぇ｣