検索窓
今日:1 hit、昨日:2 hit、合計:6,959 hit

7.なるべくしてなった結果 ページ8

はあ......と周りにばれないくらい小さなため息をはく彼女。
紫原や上月は気づいていないが、俺にはバレバレだ。
彼女自身も隠せてると思っているのだろう。

何故、彼女がこんな罪悪感を覚えなきゃいけないのだと
少し怒りを覚えなくはないが、なるべくしてなったこの状況だ。
仕方がないとも俺は思う。

いつも変装をしててもその存在感を隠せない
(といっても、本人が勝手に思っているだけだが)
あいつも、黒子をコピーしてるのか
二人に全く気づかれていない。

俺はなかなかやるな、と思うが、
ひなは罪悪感しかないらしい。
俺すらも欺く、彼女のポーカーフェイスが崩れている。


「ひなちん、調子悪いのぉ?」

「......そんなことないよ」


紫原も心配するほど、今の彼女はウソをつけない。
さて、いつ切り出そうかと考えていると、
タイミングよくあの話(・・・)になった。


「そうだ!もう少しで、募金(・・)も目標金額に到達するんだ!!」

「そしたら、手術も受けれるよー」


募金、という言葉に申し訳なさそうな顔をしながらも、「ありがとう」とはにかむひな。



あの日、桃井が提案してくれた“募金”という方法。
頑固な彼女に、気兼ねなく手術費を受け取ってもらうための方法。

案の定、彼女は申し訳なさそうにしながらも、あまり拒まず、募金について承諾してくれた。

それからは、帝光バスケ部の面々や各高校のチームメイトなどと一緒に募金活動に励んだ。
特に桃井、黒子、上月、黄瀬の働きがすごかった。
(黒子は相手に気づかれないことが多々あったが......)

全員そこそこ有名だったために、集まるのも早く、俺もあともう少しで目標金額に到達するというのは黒子から聞いていた。

だが、あえて(・・・)今回は知らないふりをする。

8.再会、動き出す歯車→←6.罪悪感の欠片



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.1/10 (10 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
32人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:星蛍 | 作成日時:2018年9月5日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。