7.なるべくしてなった結果 ページ8
はあ......と周りにばれないくらい小さなため息をはく彼女。
紫原や上月は気づいていないが、俺にはバレバレだ。
彼女自身も隠せてると思っているのだろう。
何故、彼女がこんな罪悪感を覚えなきゃいけないのだと
少し怒りを覚えなくはないが、なるべくしてなったこの状況だ。
仕方がないとも俺は思う。
いつも変装をしててもその存在感を隠せない
(といっても、本人が勝手に思っているだけだが)
あいつも、黒子をコピーしてるのか
二人に全く気づかれていない。
俺はなかなかやるな、と思うが、
ひなは罪悪感しかないらしい。
俺すらも欺く、彼女のポーカーフェイスが崩れている。
「ひなちん、調子悪いのぉ?」
「......そんなことないよ」
紫原も心配するほど、今の彼女はウソをつけない。
さて、いつ切り出そうかと考えていると、
タイミングよく
「そうだ!もう少しで、
「そしたら、手術も受けれるよー」
募金、という言葉に申し訳なさそうな顔をしながらも、「ありがとう」とはにかむひな。
あの日、桃井が提案してくれた“募金”という方法。
頑固な彼女に、気兼ねなく手術費を受け取ってもらうための方法。
案の定、彼女は申し訳なさそうにしながらも、あまり拒まず、募金について承諾してくれた。
それからは、帝光バスケ部の面々や各高校のチームメイトなどと一緒に募金活動に励んだ。
特に桃井、黒子、上月、黄瀬の働きがすごかった。
(黒子は相手に気づかれないことが多々あったが......)
全員そこそこ有名だったために、集まるのも早く、俺もあともう少しで目標金額に到達するというのは黒子から聞いていた。
だが、
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作者名:星蛍 | 作成日時:2018年9月5日 23時