不器用なキミと

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ニカからは、

相変わらず連絡は途絶えずきていた。




他愛もない話でさえも、
ただこうやって繋がりを持てるだけで嬉しかった。


時が経つにつれて関係性も少しずつ変化していって、
頻繁に二人で会うようになったのが大きな発展....！

いつしか“飲み友達”みたいな関係にまでなっていた。









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·









｢最近どうよ〜？｣


｢どうって、なにが？
いっつも主語がないんだってば、ニカは。笑｣


こうして今日もまた
ニカに誘われて飲みに来ている。


｢いやなんかさぁ〜いっつも俺ばっか話してて
Aは自分の事、あんま話さなくない？｣


····って呼び名もいつの間にか
呼び捨てにまでなっているし。


｢そうかな？
私はニカの話聞いてるのが好きだし。
ほら、元々私って聞き役だし？｣

って言ってるのにやっぱりニカはちょっと不服そうな顔。









｢Aってさモテそうだよね。
顔も可愛いし、愛嬌もあって性格も良いし。｣





人の顔をじーって見たと思ったら。

なに······急に。めっちゃ褒めるじゃん。





｢いやいや、モテてたらもうチヤホヤされまくって
こうやってニカとも遊んでる暇ないよ〜？(笑)｣


なんて冗談で返すのが精一杯。
って高鳴る胸を必死に抑えていたら········、






｢俺の自慢の友達だわ♪｣









·········って。


こうやって私のこと沢山褒めておいて、
一瞬でグサリと刺さるような事言ってくる。



いや、ニカは悪気ないんだよ。

ていうか、私が勝手に傷ついているだけ。


｢自慢の友達｣ だなんて
ニカからしたら最高の褒め言葉じゃん？


けど、その最高の褒め言葉が、
私にとっては最高に辛い言葉だった。






ニカと頻繁に会うようになってから、
やっぱり確信したんだ。


この気持ちに嘘はつけない、
抑えきれないって。


会う度にやっぱり惹かれていくし、
好きな気持ちなんてどんどん増していく。


だから、その好きな気持ちは封印せずに、でも
伝えることなくこうやってニカとは会っている。



だけど·········


“友達”だと思って接しているニカと、
“好き”という感情を持っている私。



悲しいことに限りなく一方通行で、
交わる事はない。



これはもう完全に、
典型的な片思いのお手本(・・・)だ。

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