不器用なキミと

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｢おー良かった。迷わず来れた？
んまぁ、座ってよ｣


私が入ってくるなりまるで自分の敷地かのように
促してくるみっくんは流石に慣れてるな、と思った。


｢ここ、よく来るんですか...？｣

｢ん？まぁー、ちょっとだけ常連かな(笑)｣



”宏くん“ なんて呼ばれる程だからきっと、
ちょっとどころの常連じゃあないんだなという事は分かった。



····それにしても、
結構な高級焼肉店にちょっぴり腰が引けていた。


いつも(4人で飲むの)は、だいぶ庶民的な普通の居酒屋だから。

｢何でも好きなもの頼んでよ｣

って言ったみっくんは、注文したものがくるなり

｢あー！俺がやるからっ｣

って私がやろうとする事すらも阻み、
まるで私の仕事がない....


俺、焼肉奉行だからさーって言いながら、んははって
笑うみっくんはなかなかに面倒くさいなって思うけど
一枚一枚丁寧に焼きつつ、これが美味いんだよなー！
って私に沢山振舞ってくれるし

飲み物がなくなりそうになると
すぐに気付いて頼んでくれるし、

みっくんに思い切り甘やかされてるこの感じ....
悪くない、というか寧ろとても心地よかった。



なんだかんだ緊張しつつも、お腹いっぱい食べて、
まぁまぁ喋って、、ってしてたところで









｢つか、俺にだけ敬語ってやめない？｣

ってそう会話の流れの中にサラッと入れ込んできた。






更には、

｢ニカとはすぐ打ち解けてたじゃんか｣

って口をへの字にして

なーんか寂しいなぁ俺ばっかり〜
って駄々をこねる子どもみたいにして肉を裏返している。

か....かわいいぃ！と頭を抱えつつ
みっくんのこういうあざとい所に女の子は皆
ロックオンされるんだろうな･･･！
と冷静に感心しつつもあった。






｢ニカは、歳も下だし....｣

って、私もよく分かんない言い訳みたいなのを発していて。


｢そうかもしんないけどさぁ
なんか、やっぱり壁あるじゃん？
俺は気にしないで気軽に接して欲しいんだよね〜｣


そこまで言われたら、、、


｢い、いいの····？｣

ってもう図々しく敬語をなくしてみる。


｢おー！そうこなくっちゃ！
今後一切、敬語はなしだかんね？｣

って満足そうにそう笑った。

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