不器用なキミと

29 ページ29

.




帰り際、






｢Aちゃんっ！

またね。メールする。｣




って、優しい眼差しでニカは言ってきた。




｢うん、またね｣



それだけ言って、ニカとみっくんと別れた。




今夜の帰りは、ナミと一緒。









.









｢なに〜？ちょっと、いい感じなんじゃないの？｣


タクシーに乗り込むや否や、捲し立てるように
食い気味でナミが聞いてくる。


｢何もないよ、
ただ、友達になっただけ。｣


｢え、友達？まさか、友達になろうとかって
わざわざ話したの？あんた達。｣

笑いを堪えたようにこちらを見てくる....
笑いたきゃ笑ってよねっ？！逆に恥ずかしいじゃん！


｢そうだけどっ
別に、今は友達で十分だよ。逆に恐れ多いぐらい。｣


｢も〜、なんか可愛いね、2人とも(笑)
まぁ····友達からゆっくり始めていけばいいんじゃない？
私はお似合いだと思うけど。Aとニカちゃん。｣




うん....素直に嬉しい！嬉しいけど。。

なんか今は “付き合いたい！”
とかそういう風には思わなくなったというか。

ニカと友達になれたんだ、、と思うとそれだけで十分だし、
こうやって繋がれた事に対してとにかく嬉しくて仕方なかったから。






｢それにしても私、ナイスだったでしょ？｣

って得意気な調子のナミ。


····そうだった、ナミのお陰でニカと喋る事が出来たんだ。


｢うん。本当に、ありがとね。
あの時はいきなりで、やめて〜！なんて思ったけど笑｣

｢結果的に、良かった、でしょ？｣

｢....良かった！さすがナミさんです｣

頭が上がりません、っていう思いで手を合わせてお礼した。




｢私に出来ることは何でも言って？
····って、もう別に私が介入しなくても
これからは2人でどうにかしていくと思うけど〜♪｣


そう言うナミが私以上にすっごい嬉しそうで、
その顔を見たら私までなんだか嬉しくなった。









.









家に着くと、


ニカ今日はありがと!!楽しかった!!ニカまた、会おうね!



って、メッセージが入っていた。



私たちに “ また ” があるんだ、思っただけで顔がニヤけた。

友達····だもんね？

普通に連絡していいんだよね？

これからも、会っていいんだよね？



そう自分に言い聞かせてながら、

その日の出来事を思い返して、
幸せな気持ちのまま眠りについた。

30→←28

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す