1.無個性じゃなかった【死柄木弔】 (ページ2)

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５９話ページ2

私が意識を取り戻したのはあれから３日後だった。

あの日は神野の悪夢と言われるようになった。

オールマイトはAFOを倒し、ヒーローを引退することとなった。

そこはなんとか原作通りになった。

問題は目の前にいる人達だ。

私は相変わらず病院に居た。

真っ白な天井でシミを数えたのはこれで何回目だったか、もうわからない。

今世はすっかり病院にお世話になっている。

お父さんは私にずっと付いてくれてたらしく、私が意識を取り戻したときはものすごく泣かれた。

そして、私に事情聴取するために警察とヒーローが来た。

来たヒーローはなんとイレイザーヘッド。

とどのつまり、私は警戒されているということだろう。

「すまないね。まだ意識を取り戻したばかりで回復しきっていないだろうに.....」

『いえ、大丈夫です。』

「単刀直入に聞く、君は今まで何をやっていたのか教えてほしいんだ。」

『.......』

イママデナニヲヤッテイタノカ

『家に帰る途中で攫われました。そして......それで、私には個性があるって言われました............』

「戸籍では一応無個性になっているようだが........」

『私が無意識のうちに個性を封じ込めてた、らしいです。』

「それだけだったかい？」

『.......』

ソレダケダッタカ

ナンデオボエテナインダ？

『ウッ......』

ズキリと頭が痛み出した。

AFOに個性で外に出された。

自分の個性があることに気が付いた。

蓮と夢の中であった。

弔に連れられて、AFOに会った。

その前は。

その前は──────────

ナニヲシテイタンダ？

抜けている部分の記憶は決して嫌な記憶でなかったはず。

なのに、私の記憶から抜けていた。