光合成 (ページ4)

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そして、今は昼休み。

『A、食堂行くぞ』

ジョングクが私を昼食に誘う。

……女子からの視線が痛い。

まあ、いつもの事なのだけれど。

「皆から集めたプリントをソクジン先生に提出しに行かなくちゃだから、サナと一緒に先に行ってて」

『了解』

ソクジン先生の居る職員室にプリントを提出しに行き、戻る途中
保健室から出てくるユンギ先生の姿を発見。

彼の足は、中庭へと向かっている。

…一体、何をしに行くのだろうか。

気になって後を尾ける事にした。

…息を潜め、足音を立てず
気づかれないように、そっと。

…慎重に進んでいた…けれど
突然に姿を見失ってしまった。

「あれ…いつの間に」

それでもめげずに、先へと進み……

やっと、姿を見つけた。

ベンチの上、仰向けになり
寝息を立てて眠っている先生。

寝顔は、ちょうど洋書に隠れて見えない。

…というか、本を顔の上に乗せて…苦しくないのかな。

…少しくらいなら、良い…よね。

寝顔を見るくらい、罰は当たらない…よね？

よし、見ちゃえ！

そーっと近づいて、分厚い本を退かそうと手に取った瞬間

そっと手首を掴まれた。

「…え」

『なに、してんだ』

「…起きてたんですか」

『…そりゃあ、気配がすりゃ起きるだろ』

「先生こそ、此処で何してるんですか」

『…光合成だ』

…素直に"日向ぼっこ"と言えば良いのに

敢えて理化学用語に例えるなんて……何だか先生らしいかも、なんて

彼の事を何にも知らないのに、そう思ってしまった。