11 ページ11
、
「え？寮長って、こーゆう演劇とかって興味あるんすか？」
エースがストレートに問う
リドルは腕を組んだ
「あると言われたらないかもね」
「え？どゆこと？」
「リドルが興味あるのはナミだからな」
「！？トレイ！ 言う必要はないだろう！？」
エースよりもズバッ、と答えてしまったトレイにリドルは怒る。というか怒って照れを隠すしかなかった
「え？もしかしてナミに気があるんですか！？」
デュースもすんなり聞いてしまう
リドルは顔を真っ赤にしながら「だったらなんだい？」とキツく答えた
「マジかよ…」
「寮長でも負けらんねぇ」
「いやーッ！ナミちゃんを取られるぅー！！」
エースはびっくり顔に。デュースは拳を手のひらに叩きつけ、ユウはムークの叫びのような絵面に
ケイトは「そんな気してたけど…まさかリドルくんもねぇ」とう〜んと重く考えている
「こらこら、そんなに好かれたらナミが困るだろ？」
「そういうトレイくんだってどーなの？」
ケイトがジト目でトレイを見つめる
彼は「うっ」と表情をひきつらせた
「トレイくんもか…」
「ははっ、どうもナミには弱くてな」
トレイはうっすらと笑った
「ではでは、ここでストーリーを盛り上げてくださる悪役のご登場といきましょう。ナミさんです」
3人はハッ、とステージを顔を向けた
トレイとケイトはナミを見守るように…
リドルは期待を籠めるかのように見つめた
が、そんな表情、一秒も持たなかった
期待を遥か斜め上に攻められたのだから
今回のナミの衣装姿を目にするのはここが初めてのヴィルもエペルも言葉を失い、ただただ驚いていた
唯一ここで拍手をしたのはすでに目撃していたルークぐらいだ。「ブラホー！」と彼の声と拍手だけこの場に響いた
「ごきげんよう」
そこには悪役令嬢に成り代わっていた
美しき女王様がいたのだった
＿＿＿黒い林檎の痣はすでに涙袋の横に浮き出ていた
、
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 404人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：真灯
| 作成日時：2022年9月30日 18時
