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『呪い…？』
「演技中、貴女が悪役になる呪いよ」
んふふっ、とヴィルは嬉しそうに笑う
そしてゆっくり唇を動かすのだ
「“
それはヴィルのユニーク魔法だった
しかしその魔法は触れたものに呪いを付与する毒の魔法
ナミの頬に触れている時点で、ナミそのものが“毒”に成り代わる
「私の願い、いずれ叶えてもらうわよ」
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真っ赤な真っ赤な林檎が暗闇の底へと落ちていった＿＿。
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「ハッ…！またあの夢だわ…寒くなってきた…」
ナミの部屋の向かいにあるヴィルの部屋では
ヴィルがベッドの上から起き上がったところだ
「オーバーブロット…この私がまさか…感情を露にさせるなんてね…」
「二度と起きてはならないわ…」
胸に手を当て、そう決意するヴィル
しかしその瞳にはまだ迷いが残っていた
「何もかも…壊してしまう…か…」
「なんて…」
「素晴らしいのかしら…」
ボソッ、とそう呟いた自分に驚く
「何口走ってるのよ。二度とあってはならないんだからね」
キッ、と睨みをきかせた
「私が暴走しないためにもあの新しい後輩ちゃんにみっちり、美しくなってもらわないと」
「あの子なら…」
「確実にネージュより上に行くわ」
そうと決まれば稽古のスケジュールを立てないと！
とヴィルは弧を描いた
それはまるで将来の夢を絵に書く少年のようだった
ナミに期待しているかどうかは彼の目を見れば、すぐに答えがつくだろう
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作者名：真灯
| 作成日時：2022年9月30日 18時
