新マネさん ページ9
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「……なにしてるの」
「吉野で遊んでたの」
「寝込み襲ってたの?」
「相変わらず脳内変換すごいね」
吉野はムクっと起き上がると、私の両手をとって床に押し倒した。
……明らかにいつもの吉野の顔じゃない。オオカミさん。
ちょっとヤバいやつだ。
吉野も一応男だから私よりも力は強くて、起き上がろうとしてもビクともしない。
ちらっと壱馬に助けを求めると、壱馬は電話しながら口を開けて固まっていた。
……とりあえず電話に集中して欲しいかな。
と、ふと腕の重みが無くなったと思えば、吉野は陸に捕まっていた。
「こらほくちゃん、女の子襲っちゃダメでしょ」
「だーってぇ、Aさんが、」
「だーってぇじゃないの。お返事は?」
「はぁい、」
「ん、よろしい」
酔っ払いに助けられるってなんかアレだけど、陸まじでありがとう。
てかここだけ幼稚園ですかってぐらいふわふわしてるよ。
「Aさん大丈夫?何もされてない?」
「あ、壱馬。タクシー呼べた?」
「うん、なんとか。すぐ来てくれるって」
「よかったよかった」
酔っ払い2人が急に静かになったと思えば、また2人して寝始めてる。
ふざけんな、運ぶの私らなんだよ。くそっ。
結局タクシーの運転手さんに手伝ってもらっちゃって、やっとの事で寮に到着。
寮に着けば海青がいるからもう安心。
意外とちっちゃい陸とひょろひょろ吉野を男らに運んでもらって、生き残ってる私と壱馬はそれぞれお風呂へ直行。
部屋に戻ると、やっぱりいつも通り私のベッドで爆睡する吉野。
多分海青がやったな。
まぁ運んでくれたからいいんだけどさっ。
お酒の匂い全身につけて私のベッドで寝ないで欲しかったなっ。(泣)
はぁ、とため息をついて、私は壱馬の部屋へと向かった。
「かーずーまくんっ」
「なーんですかっ」
「入ってもいーい?」
「いーよー」
ドアを開けると、上裸で髪の毛を拭いている壱馬。
服きてないのに入っていいなんて言うなよバカ。
「どしたの」
「吉野が私のベッドで大の字になって寝てるから私寝る場所ないの」
「ふはっ、それで俺の部屋逃げてきたと。(笑)」
「ご名答」
しょうがないなぁ、と昔のツアーTを着てベッドに腰掛ける壱馬。
かっこいいなぁもう。
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作者名:L | 作成日時:2020年4月5日 18時