アネキの過去 ページ18
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(※現実とは一切関係ありません)
「そう言えば、メンバーのお母さんとか会ったことあるけどAさんのお母さん会ったことなくない?」
はい、スリボ会withAさんです。
あ、姉貴の話し相手 inスリボ会 の壱馬です。
「俺も会ったことないかも」
「ほくちゃんが会ったことないなら誰も会ったことないね」
「なにその吉野基準」
俺は見逃しませんでしたよ。
陸さんがお母さんの話題を持ち出した時のAさんの顔。
一瞬曇った。
陸さんもその顔に気がついて、ぱっと目が合った。
北人はいつも通りAさんの隣だから多分気づいてない。
「まぁ、会ったことはない、ね」
「Aさん可愛いからお母さんも可愛いんでしょーね!」
「うるっさ、(笑)」
北人めっちゃグイグイ聞くじゃん。
Aさんめっちゃ誤魔化してるじゃん。
察してあげて、……。
「写真とかないの?」
「んー、ないね」
「えー、家族写真とかさ」
「……んー、(苦笑)」
Aさんはレモンサワーを一口飲む。
そして一呼吸。
「私小中高アメリカだったじゃん?ランペのことで、私は家族より先に一人で帰ってきたの」
静かに聞く俺ら。
多分なんかあったんだろうな、
「私が乗った飛行機は全然大丈夫だったんだけどさ、家族が乗った飛行機が海の上で墜落したの」
「っ、……」
「だからみんな、私もあれ以来家族には会ったことない」
「……なんかごめんなさい、」
「全然?ランペがいるから私は寂しくないし(笑)」
もう昔の話だよ、と笑ってまたレモンサワーを一口。
昔の話、って言っても、ねぇ?
Aさんにこんな暗い過去があったなんて初めて知った。
「んぁ、おじいちゃんは奈良にいるよ」
父方のおじいちゃんしかいないけど、とスマホを触るAさん。
そしてAさんのおじいちゃんらしき人とのツーショットを見せてくれた。
「……外国の方、?」
「んー、正確にはハーフ?私は日本人とクオーターの娘的な」
だからこんな日本人離れのスタイルの良さなんだ、と納得。
それにしてもおじいさんそっくり。
茶色い目と茶色い髪の毛。
もうなんか血縁者って感じ。当たり前だけど。
親子って言われても納得できそう。若い。
「……あ、このことはあんまり人に言わないでね、重いから」
Aさんの過去が知れた夜になりました。
この話は俺たち4人の秘密。
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作者名:L | 作成日時:2020年4月5日 18時