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吸血鬼-ゼロのターン ページ18

「僕の(つがい)になってください。赤井なんかじゃなく」

『すごくデジャヴ』


その翌日の夜。まぁ物騒なことなんてそうそう頻繁に起こらないので、平和にゴミ拾いをして居たところ、なにやら背後に人の気配が。
どうやら後を付けられているみたいだった。

そのため、ゴミ袋をその場において、ひゅんっと背を向け全力疾走。
速度を維持したまま曲がり角を2、3回曲がり、緋糸を準備して壁を駆け上る。その上でしばらく息を殺して、人の気配が消えた後に地上に降り立った。

いやはや、全く疲れる。もしかして、不審者か何かと勘違いされたのかな?

それなら困るなぁ、とため息をつく。ヒーローが不審者と間違われるなんて屈辱以外の何者でもないし、なにより無駄に怖がらせるのは申し訳ない。


そんなことを考えながら、放置して来てしまったゴミ袋の元へ戻ろうと、私は元来た道へと振り返る。……と、その瞬間…


「全く、初めてですよ。一瞬とはいえ僕が見失った人間というのは」


『……ふぁっ!?』

ふわり、耳元に息がかかり、ゾクぅッと背中が震えた。ピシリ、と反射的に身体が固まってしまった後で、突然背後から誰かに抱きすくめられる。
右手首を抵抗の効かないように絡め取られて、そのままチュッ、と軽いリップ音を立てて流れ出た血を舐め取られた。


「まぁ、こんなに血の匂いを漂わせていたら、見失ってもすぐにわかるんですがね……んっ」

『ひっ……や、あの、やめてくだ』

「あぁ……ふ、勿体ない…んっ。地面にも壁にも垂れてるじゃないですか、じゅるるっ」

『やめろガチで頼むからぁぁぁッ!!』


取り敢えず、状況がわからないながらも叫ぶ。絶唱する。
やめろ、なんで言葉の途中で吐息を混ぜてくるんだやめろ。耐性の無い私を殺す気か。
待ってちょッ耳に口を近づけるなばかばかテメェこのやろ


緋糸に意識を集中させようとするが、その意味は無し。てか無理。集中力?なにそれ。
最悪だ。これはもしかしなくとも昨日の再来と見た。吸血鬼かよこのお兄さん。
てか誰だよ、赤井さんじゃないよな。


「ふぅ、止まりましたね。あぁ、僕の名前は安室透。
御察しの通り吸血鬼です。よろしく」

『………………紅糸Aです。あの、とりあえず離れていただきたいのですが』


ようやく右手首を離してもらい、安室が昨日の赤井と同じくなぜか丁寧に名乗ってくれた。

吸血鬼-ゼロのターン→←吸血鬼-赤のターン



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☆しゅーりむ★(プロフ) - まゆさん» 返信遅れてしまい申し訳ございません!読んでいただきありがとうございます!これからも頑張りますね!! (2019年3月7日 23時) (レス) id: f145474b32 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ - 面白かったです^_^続きが、すごく気になります^_^これからも、頑張って下さい^_^ (2019年2月28日 23時) (レス) id: eca43bee50 (このIDを非表示/違反報告)
☆しゅーりむ★(プロフ) - にわなずなさん» どっちでも良き派の方なのにわざわざコメント頂けたんですか!?ありがとうございます!!私はツイッターで知ってしまいました。皆さん結構知ってるんですね…!! (2018年9月22日 23時) (レス) id: d266c3c2b9 (このIDを非表示/違反報告)
にわなずな(プロフ) - 私は立ち読みで知りましたw名前はどっちでも良き (2018年9月22日 8時) (レス) id: 895a4f49cb (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 更新頑張ってください!めっちゃ楽しみに待ってます!! (2018年9月21日 19時) (レス) id: 4d4834db33 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:☆しゅーりむ★ | 作者ホームページ:   
作成日時:2018年6月16日 23時

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