◆029 ページ29
・
いつかカズ吉が言ってた。
“「遊びだろ」” って。
・
和也「え、答えなきゃダメなの？」
「答えなかったら自動的に “抱く” つてことになるけど」
和也「…、まぁ興味なかったら近づかないでしょ」
「じゃあ、抱くってことは少なからず興味はあるってこと？」
和也「俺はね。これが一般論ってわけじゃないだろうし一概には言えねえよ」
そっか、カズ吉の意見＝智の意見じゃないもんね。
少しくらい私のこと…って、ちょっと期待したのに。
・
「カズ吉ってチェリーボーイ？」
和也「あなたね…」
「彼女作ることとか興味なさそうだから」
和也「想像に任せます」
「でも…意外とちゃっかり…？」
和也「うるさい」
「どんな人だったの？」
和也「何で勝手に経験済みになってんの」
「違う？」
和也「あーもー、うるさい。寝て」
ぷいっと向けられた背中。
カズ吉が惹かれた人かあ。
どんな人なんだろう。
「ねえカズ吉寝ないで」
和也「…」
「お喋りに付き合って」
和也「あなた下ネタしか言わないでしょ」
「思ったことをそのまま口に出すのが私、って。智が言ってたから」
和也「バカみたいに何でもパーパー喋るのもどうかと思うよ」
…だって、バカみたいにパーパー喋ってないと気が紛れない。
黙って目を閉じると、朝の幸せな空間と智の柔らかい肉声が蘇る。
ここへ居ないだけに、余計に会いたくなる。
・
和也「…あ、今回ので貸し2ね」
「…1は？」
和也「充電器とチャーハンを恵んだでしょ」
「そうでした」
和也「この貸し、明日返して欲しいんだけど」
「へ、明日…？」
和也「2つ分ってことでいいから」
「何すればいいの？」
冬休みに入ったガラガラの学内に呼び出されてるらしい。
和也「結構しつこくてね、俺彼女いるからゴメンねっつったら、そいつ連れて来いって」
「…」
和也「ゲームを彼女として連れて行けないじゃん？」
「…待って、私がその彼女役…？」
和也「さすが、物分かりがいいと助かるわ」
こういう時だけ、心ない声で褒める。
「そんな大役…無理」
和也「バレないように彼女っぽく振舞ってくれたらいいから」
「それが出来たら苦労しないよ…」
でも、カズ吉のお願いを聞くこと以外で作った貸しを返せるとも思えないし
「大根役者、頑張る…」
引き受けるしかない。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1022人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
もちお(プロフ) - みゆさん» みゆさん♪ ハマって頂けて光栄です( ´∀｀) 続き出来ましたので、ぜひご覧ください♪ (2017年1月8日 10時) (
レス) id: a1c0da4454 (このIDを非表示/違反報告)
もちお(プロフ) - みきさん» みきさん♪ 10点満点ありがとうございますヽ(￣д￣;)ノ 続編の準備が出来ましたので、ぜひ読みにいらしてください♪ (2017年1月8日 10時) (レス) id: a1c0da4454 (このIDを非表示/違反報告)
もちお(プロフ) - ゆかさん» ゆかさん♪ 続編作ったのでぜひ読みにいらしてくださいo(^_^)o (2017年1月8日 10時) (レス) id: a1c0da4454 (このIDを非表示/違反報告)
みゆ - 一回読んでハマってしまいました！続きが楽しみでしょうがないです！！ (2017年1月7日 20時) (レス) id: e237ee365d (このIDを非表示/違反報告)
みき(プロフ) - 評価させていただきました。もちろん10点満点です!!更新楽しみにしています(o^^o) (2017年1月7日 15時) (レス) id: 6110900556 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：もちお
| 作成日時：2016年12月10日 16時
