狂 愛

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玲於side





初のドームツアーが決まってから

毎日のようにリハして振り作ってトレーニングして

朝から事務所にこもりっきり、なんて事も多い



昨日、あのあとA大丈夫だったかな

また泣いたりしてないかな

なんて考えながら仕事してた





亜「今日のメニュー鬼すぎ」


「…ほんとだよ、筋肉ぶっ壊れるわ」


亜「うお、」


「は？」





いきなり奇声を発した亜嵐くんの目線の先には

俺が今1番会いたい子がいて

A、そう名前を呼ぼうとした時思い出した



…事務所ではあくまで顔見知り程度で。





臣「A、こっち」


A「もう仕事終わり？」


臣「あと少しかな、飯食い行こ」


A「行きたい！」





事務所で堂々といちゃいちゃしてる2人



臣さん、昨日は他の女と会ってたんだろ？

Aも昨日は俺んとこで泣いてたのに

もう臣さんのところで笑ってる



ああ、Aは本当に臣さんが好きなんだって

嫌というくらい思い知らされた



お前に勝ち目なんてない

さっさと引け、無理だ

そう言われてるような気がして仕方なかった





臣「お疲れー、よく会うな最近」


亜「お疲れ様です！」


A「…佐野さん」


「…ん、あ、Aちゃん」


臣「…あ、お前ら知り合いなんだっけ？」


「…そうなんすよ、知り合いって程じゃないですけど」


A「…うん、顔見知り…くらいかな」





ちがう、顔見知りとか知り合い以上だし

なんなら昨日だってあなたが他の女と会ってた時

俺たち一緒に居たんだよ、そう言ってやりたかった



Aちゃん、佐野さん、って呼び合うのも

なんかすげえ嫌だ

なんだよ、昨日まで玲於くん、A、って呼び合ってたのに





臣「じゃ、俺らいくわ」


亜「あ、はい！お疲れ様です」


「…お疲れ様です、」





俺たちの前を通ってエレベーターに乗った2人

Aとしっかり目が合った

けどすぐに逸らされて、エレベーターのドアは閉まった



お互い他人同士みたいな顔してすれ違って

何事もなかったかのように接する

嫌だ、ほんとすげえ嫌だ




俺らの関係ってなんなんだろう

友達以上？

それとも友達以下？




考えてたらなんかイライラしてきた

そんな時にふと思った





…臣さんから、奪ってやりたい





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