【第五人格】陰で恋して(2)【中篇集】

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そのお陰で沢山の仲間が増え、試合で誰が一緒でも上手く連携が取れるようになってきたし、荘園での生活も充実して楽しくなってきた。さすが先輩。

お昼や夜も同様の理由でご飯は一緒には食べない。ただ午後で空いた時間があればチェイスが得意な先輩にチェイス練習をしてもらったり、長年荘園にいるツテを活かして本物のハンターに協力してもらったりしてより密度が高い教育をしてもらっている。びっくりするほど教育熱心だと思うし、何よりその技術が凄い。それに分かりやすいし、私の理解度に合わせながら行ってくれるので飲み込みやすいのだ。この前滅多に人を褒めないというライリーさんから「…君の成長力は目ざましいな」と言われた。


夕食後、お風呂から上がったらそのままナワーブさんの部屋に行き髪の毛を乾かしてもらう。彼曰く一日頑張った私への労りらしい。確かに彼のドライヤーは気持ちいいし上手で、自分でやるよりサラサラになる。

そのあとは今日の反省をしたり雑談をしたりする。私はこの時間がとても好き。



「今日はどうだった？」

「今日はですねっ、一番最初の試合で面白いことがあって…」



そんな他愛もない話をだらだらと続け、時計の針が12時をすぎる頃私たちは解散する。…おやすみのキスを忘れずに。



「A」

「う…、な、ナワーブさん目閉じてくださいよ…なんでいつもあいてるんですか…」

「オメーよ、挨拶を目閉じてするやつは失礼だと思わねえか？」

「…た、確かに…」



早くしやがれ、と言うように後頭部に手が回り、ナワーブさんの整った顔が目の前まで迫る。あんまりにももたもたして彼を待たせると彼からキスをされるのだが、もうそれは恋人と何ら変わりのないキスをされる。初めてされた時はなんで、とかどうして、とか疑問が山ほど浮かんだが「先輩と後輩なんて恋人みたいなもんだろ？」と言われてやはりそこにもカルチャーショックを受けた。そ、そういうもんなのか…と納得をしたが少し外国の貞操観念が気になった。まあ郷に入っては郷に従え、せめて、ナワーブさんからの気持ちよくなってしまうキスを受けないように自ら進んで彼の唇に私のを合わせていくのだ。



「おやすみ、A。また明日」

「うぅ…おやすみ、なさい……」



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その日から幾日か、そんな習慣を続けていて私もその行為になんの疑問持たずにいた時。

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