3 ページ9
そういうとノートンさんは滅多に見せない笑顔(とっても意地悪な笑い方だけれども！)を見せて「Aが泣いてるかなって思って」と言ったのだ。こ、この人まさか今後のネタとか弱みとか掴むためにここに来たの…！？
割と傷心中な私になんて仕打ちだとは思うものの、ノートンさんの意思で私のところに来てくれたという事実でどことなく嬉しさも感じてしまっていた。末期だよ私…。
「で、こんな時間まで本当に寝てたの？その割には頭はっきりしてそうなんだけど」
「え、あ、いや、すみません寝てないです」
「何してたの？」
「えっと…一人で反省会してたら時間過ぎてて…」
きっとノートンさんに嘘をついてもすぐにバレてしまうので正直に話すと、「ふーん、じゃあそれ僕も混ぜてよ」と言ったのだ。なぜチームメンバーでもない彼がその申し出をしてくれるのだろうか。勿論、荘園内で先輩である彼の意見を頂けるのはとてもありがたいし、タメになるから嬉しいのだが。
要らない？なんて聞かれてしまえば私に拒否権なんてものはない。ありがたく頂戴致します、と彼を部屋に招き入れた。
「なんも無い部屋だね」
「ちょっと…乙女の部屋あんまりジロジロ見ないでくださいよ」
「乙女？どこにいるのそんなの」
「…」
優しいノートンさんなんて珍しい、と思ったがあんまり信じてもいけないようだ。とりあえず折り畳み式のテーブルを出し、座布団を用意した。この時ばかりは大きなテーブルと椅子が欲しかった。
ノートンさんは座布団が珍しいのかしばらくそれを弄っていたが、私が座っているのを見ると漸く落ち着いてそれに座る。うーん、座布団に座るノートンさん、なんかシュールだ。
「それで、さっきまで反省してたのはどんなことなの？」
「あ、えっと…この紙に書いてある通りなんですけど…」
先程まで紙にまとめていた私の反省点やら対策やらを書いてある紙をノートンさんに見えるようテーブルに置く。すると元々書いてあった私の意見に対し、試合であったことをまるで見てきたかのように的確な意見をくれた。
なんでこんなに試合内容がわかるのか聞いたらなんてことは無い、この屋敷内には試合中の様子が見れるモニターがあるのだが、それでたまたま見ていたようだった。
「成程…私はこの時こうすればよかったのかあ」
「まあ所詮たられば論だから。こういう場合もあるんだっていう経験として頭の隅に置いておけばいいよ」
「はい！先輩！」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 453人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
フルリ(プロフ) - ここさん» コメントありがとうございます！私も何回もコメントしていただけて嬉しいです…！とても嬉しい言葉をこんなにもいただけて書いている身としては有難い限りです(∩´∀`∩)次回作、公開致しましたのでぜひ！！お読みになってください！今後ともよろしくお願いします！ (2019年10月14日 11時) (
レス) id: d10d29f4b8 (このIDを非表示/違反報告)
ここ(プロフ) - 全部最高でした！！！何回もコメントしてしまうのは初めてです…！面白いのもシリアスなのも言葉選びとか間がすごく好みで、読みやすくて大好きです！！！！次回作公開されたら絶対読ませて頂きます！！お体に気をつけて、がんばってください！！ (2019年10月12日 2時) (レス) id: 73f2a4f0cd (このIDを非表示/違反報告)
フルリ(プロフ) - 月光の狼さん» コメントありがとうございます！そう言っていただけて嬉しい限りです。これからもどうぞよろしくお願い致します。 (2019年10月10日 7時) (レス) id: d10d29f4b8 (このIDを非表示/違反報告)
月光の狼 - ﾁ~ﾝ(うわぁーめっちゃ上手ですよ！) (2019年10月3日 22時) (レス) id: 1da65a8f09 (このIDを非表示/違反報告)
フルリ(プロフ) - ミキさん» コメントありがとうございます！ナワーブくん私も推しなので気に入って頂けたようで嬉しいです、、！！もっとたくさん増やしていくつもりですのでよろしくお願いします！ (2019年10月2日 14時) (レス) id: d10d29f4b8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：フルリ | 作成日時：2019年9月24日 20時
